爆音戦争映画特集「戦争だ～い好き」をカナザワ映画祭２０１６で開催

この企画を温め続けて１０年。
ついにやる時が来た「戦争だ～い好き特集」。
１０年前の当時は「不謹慎だ！」「周辺国から苦情が来る！」などと叩かれ実現に至らなかったが、昨今の国内を漂う空気から判断すると行けそうな頃合いと感じ、今年２０１６年、ついに決行する。




とりあえず各戦争から各陣営国の作品を万部なくチョイスし、さらに爆音映えのする作品ということで選んでいる。

第二次世界大戦。
西部戦線　アメリカ側。
最も映画（特にアメリカ映画）で取り上げられる機会の多い戦線で作品も多いが、爆音で観たいのはやはりこれだろう。

『プライベート・ライアン』
序盤のオマハ・ビーチばかり引き合いに出されるが、中盤のスナイパーとの激闘やラストの武装SS戦車部隊との死闘はオマハ・ビーチに劣らず凄まじい演出で数多くの映画やゲームに影響を与えた。
『プライベート・ライアン』以後と以前で戦争映画の基準を変えてしまったエポックな作品である。







東部戦線　
独ソ戦の死者２５００万人以上。人類史上最もブルータルな戦いと言われる東部戦線のドイツ側といえばやはりこれ。

『戦争のはらわた』ドイツ語バージョン
戦争映画では敵として悪鬼のように描かれる事が多いドイツ兵もドイツ側になって戦争映画を観てみれば他の国の兵隊とそんなに変わらない。







ソ連製作の戦争映画は数あれど、そのほとんどが綺麗事のプロパガンダ映画で今見る価値といえば資料価値のみの作品が多い中、時代も国も超える普遍性を備えたロシア側の作品といえばこれ。

『炎６２８』
地獄のような光景が続く映画だが、一番ショッキングなのが画面の端にモノのように積まれた死体がチラリと映る場面。あの演出を拡大再生産したのが去年話題になった『サウルの息子』（ああ、これも爆音向きだ）。







太平洋戦線　アメリカ側。
日米の莫大な資材と資材が激突した派手な戦線だが、映画の方は日米とも大味な作品が多い。
デカイ予算で空想上の宇宙での戦争なんかを作るより先にこういう派手な海戦をデカイ予算でリアルに作ってほしいものだ。
それで、そんな中でも今見て面白いのはこれ。

『１９４１』
オープニングのヌードから潜水艦、三船敏郎とクリストファー・リーの共演と序盤からエンジンがかかるドライヴ感満載の戦争映画。







ベトナム戦争。　
この戦争はアメリカ映画（パチ物のイタリア映画も）で山ほど作られたが、今観て面白いのは意外と少ない。
そういやベトナム製のベトナム戦争映画って観たことないな。あるのか？
J.G.バラード先生も「無意味な破壊が戦争の本質を表してる」と評価したヘリコプター部隊の虐殺シーンが見どころ。あと、オープニングのドアーズの「ジ・エンド」も爆音向き。そういえばホーチミンに「Apocalypse Now」というナイトクラブがあったな。不謹慎な・・・。

『地獄の黙示録 劇場公開版』






他にもないのがあるねえ、分かってます、分かってます。
もしくは忘れているかもしれないし、知らないのがあるかもしれないので、「爆音で戦争映画といえばあれやろ！」というのがあれば教えて下さい。
ということで、まだまだ選定中。

この特集の上映日は前半か後半の連休になると思います。