北欧UMA映画『ラグナロク オーディン神話伝説』
- 2014/12/08
- 21:06
邦題はB級っぽいタイトルを付けられているが、映画の製作本数の少ないノルウェイで作られた立派なA級のルックを持った映画だ。

また、ファンタジー作品のように宣伝されているが、超自然現象は起きない本格モンスター映画だ。
ストーリー自体は定番の形で、伝説が残された場所に調査に出かけた学者が怪物と遭遇のパターンである。
話自体はそういう話なので、重要になってくるのはモンスターの描かれ方と、モンスターの棲む場所の雰囲気だろう。
遺物が眠るという伝説の沼を探して旧ソ連との国境である無人地帯の樹海へ潜入。
廃墟マニアも喜ぶイイ雰囲気だ。


廃墟をとりあえず漁るガイドのオヤジ。

オーディンの目と呼ばれる伝説の沼。
何かいそうな雰囲気である。

何とか遺物を発見した途端ガイドのオヤジが欲に目を眩ませ、「全部よこせ」と脅す。
キチガイの田舎者だ。

見ている方は、「ああ、こいつが最初に怪物のエサになるんだな」と予想。

案の定、一人で筏で逃げたところを喰われる。
一番感情移入できない奴が最初に喰われるのはモンスター映画の定石だ。
初めて主人公たちの間に姿を現す怪物。
水の中からこういうのが出てくるシーンはいつでも燃える。

できればUMA写真の定番のこれも再現して欲しかった。


この写真はなにか本能に訴えかける怖さがある。
かつて何百万年も前のご先祖様が海を渡って旅をしていた時にメガロドンに襲われた記憶だろうか?
この作品の怪物はシーサーペントのような形をしていて、特にそんなに特徴はない。
意表をついてこんなのが水から出てきたら、ある意味語り継がれる作品になったかもしれない。

影の世界政府にコネを持つ漫画家あすかあきお先生の唱えたネッシーの正体である。
ネッシーの正体がこんなウミウシモドキとは、これは子供の頃にインパクトがあった。
その後、有名なネッシー写真は完全な偽造と暴露され、大人になっていた昭和の子どもたちをがっかりさせた。
つまらない真実は墓場まで持っていくべきだった。
なんて無粋な奴だ。
大人ならウソは突き通せ。

しかし、北欧やブリテン諸島の辺りではシーサーペントの伝説が根強いらしく、ネッシー以外にも色々と話がある。
「奇現象ファイル」という本では、ブリテン諸島の荒涼とした人も来ない地帯の沼や河川にそういうものが潜んでいそうな気配が迫真の筆致で描かれ本当にシーサーペントがいるのではないかという気にさせられる。
。
この著者はこの分野に深入りをし過ぎたようで、本の後半ではシーサーペントをUFOに関連付ける説を唱えだし、読者を唖然とさせる。
ちなみに発行元は角川春樹事務所だ。
それでも本の前半は傑作なのでUMA好きにはオススメだ。
で、この『ラグナロク』の怪物は映画に出てくる怪物の常で、やたらいつもグルグルシュルシュル音を出している。
ちょっと動物を飼ったことがある人はわかると思うが、動物はいつもはそんなにうるさくしていない。
活動的なのは腹が減っている時くらいで、通常はじっとしていることが多い。
そういう感じを出せている映画が少ないので、そこは何とかならないのだろうか。
Jホラーが心霊写真のテイストを発展させ映画に活かし、世界を席巻したように、モンスター映画というかUMA映画もUMA写真のテイストを活かして作れないのだろうか。
自分の見た中でこのテイストを出せていた作品がいくつかある。
一つはアンジェイ・ズラウスキーの『ポゼッション』で、ジャーン!みたいな派手な音楽もなく、唐突に怪物が部屋に佇んでいるカットが素晴らしかった。
まさにそこにモノがいるという感じが非常にに出ていた。
カナザワ映画祭2010で上映した際はその場面でどよめきが起きたのを記憶している。

『グエムル』の怪物初登場シーンも秀逸だった。

橋の下に何か袋状のモノが静かにブラ~ンとぶら下がっている。
なんだかよく分からないモノが風景に溶け込んでいるUMA写真の感じがよく出たカットだった。
その後怪物が暴れだしてからは普通のモンスター映画のようにフシュル~フシュル~うるさく音を出していたが・・・。

そういえば、漫画だが諸星大二郎作品に出てくる怪物も風景に溶け込んだUMA感をよく出している。

UMAモノは未だに手付かずな金脈が残っていると思う。

また、ファンタジー作品のように宣伝されているが、超自然現象は起きない本格モンスター映画だ。
ストーリー自体は定番の形で、伝説が残された場所に調査に出かけた学者が怪物と遭遇のパターンである。
話自体はそういう話なので、重要になってくるのはモンスターの描かれ方と、モンスターの棲む場所の雰囲気だろう。
遺物が眠るという伝説の沼を探して旧ソ連との国境である無人地帯の樹海へ潜入。
廃墟マニアも喜ぶイイ雰囲気だ。


廃墟をとりあえず漁るガイドのオヤジ。

オーディンの目と呼ばれる伝説の沼。
何かいそうな雰囲気である。

何とか遺物を発見した途端ガイドのオヤジが欲に目を眩ませ、「全部よこせ」と脅す。
キチガイの田舎者だ。

見ている方は、「ああ、こいつが最初に怪物のエサになるんだな」と予想。

案の定、一人で筏で逃げたところを喰われる。
一番感情移入できない奴が最初に喰われるのはモンスター映画の定石だ。
初めて主人公たちの間に姿を現す怪物。
水の中からこういうのが出てくるシーンはいつでも燃える。

できればUMA写真の定番のこれも再現して欲しかった。


この写真はなにか本能に訴えかける怖さがある。
かつて何百万年も前のご先祖様が海を渡って旅をしていた時にメガロドンに襲われた記憶だろうか?
この作品の怪物はシーサーペントのような形をしていて、特にそんなに特徴はない。
意表をついてこんなのが水から出てきたら、ある意味語り継がれる作品になったかもしれない。

影の世界政府にコネを持つ漫画家あすかあきお先生の唱えたネッシーの正体である。
ネッシーの正体がこんなウミウシモドキとは、これは子供の頃にインパクトがあった。
その後、有名なネッシー写真は完全な偽造と暴露され、大人になっていた昭和の子どもたちをがっかりさせた。
つまらない真実は墓場まで持っていくべきだった。
なんて無粋な奴だ。
大人ならウソは突き通せ。

しかし、北欧やブリテン諸島の辺りではシーサーペントの伝説が根強いらしく、ネッシー以外にも色々と話がある。
「奇現象ファイル」という本では、ブリテン諸島の荒涼とした人も来ない地帯の沼や河川にそういうものが潜んでいそうな気配が迫真の筆致で描かれ本当にシーサーペントがいるのではないかという気にさせられる。
。
この著者はこの分野に深入りをし過ぎたようで、本の後半ではシーサーペントをUFOに関連付ける説を唱えだし、読者を唖然とさせる。
ちなみに発行元は角川春樹事務所だ。
それでも本の前半は傑作なのでUMA好きにはオススメだ。
で、この『ラグナロク』の怪物は映画に出てくる怪物の常で、やたらいつもグルグルシュルシュル音を出している。
ちょっと動物を飼ったことがある人はわかると思うが、動物はいつもはそんなにうるさくしていない。
活動的なのは腹が減っている時くらいで、通常はじっとしていることが多い。
そういう感じを出せている映画が少ないので、そこは何とかならないのだろうか。
Jホラーが心霊写真のテイストを発展させ映画に活かし、世界を席巻したように、モンスター映画というかUMA映画もUMA写真のテイストを活かして作れないのだろうか。
自分の見た中でこのテイストを出せていた作品がいくつかある。
一つはアンジェイ・ズラウスキーの『ポゼッション』で、ジャーン!みたいな派手な音楽もなく、唐突に怪物が部屋に佇んでいるカットが素晴らしかった。
まさにそこにモノがいるという感じが非常にに出ていた。
カナザワ映画祭2010で上映した際はその場面でどよめきが起きたのを記憶している。

『グエムル』の怪物初登場シーンも秀逸だった。

橋の下に何か袋状のモノが静かにブラ~ンとぶら下がっている。
なんだかよく分からないモノが風景に溶け込んでいるUMA写真の感じがよく出たカットだった。
その後怪物が暴れだしてからは普通のモンスター映画のようにフシュル~フシュル~うるさく音を出していたが・・・。

そういえば、漫画だが諸星大二郎作品に出てくる怪物も風景に溶け込んだUMA感をよく出している。

UMAモノは未だに手付かずな金脈が残っていると思う。
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