カナザワ映画祭2015上映作品紹介その14 『要塞警察』野蛮人との戦い
- 2015/08/30
- 23:07
ジョン・カーペンターのミニマム・アクション映画。
カーペンターによる反復ミュージックも癖になる。そして、低音の響きが凄いので本当に爆音向き。


ロサンゼルス郊外の寂れたスラム地区の警察署が移転のため、引っ越し作業をしていた。署にいる職員は女性含めわずか。地元ギャングとトラブルになった男性が署に逃げ込んできたことから、ギャングの群れに包囲されてしまう。果たしてサバイブできるのか?
寂れた郊外の風景。

ほとんど喋らない不気味なギャングたち。白人、黒人、ヒスパニック、アジア人が混合する特異な集団。普通はありえない人種構成で映画のポリティカル・コレクトネスのせいかもしれないが、この映画では逆に効果的に作用している(『ウォリアーズ』はその辺が裏目に出ていて、この間久しぶりに見てみたら古びていた)。
それぞれ、White Warload、Black Warload、Hispanic Warload、Oriental Warloadという名前が付いているギャングの幹部たち。
そうそう、Warloadってこういうニュアンスがあるんだよな。だからイモータン・ジョーもWarloadと呼ぶとしっくりくる。Warloadって好きな言葉なんだが日本語に訳しにくい。「FURY ROAD」だと「悪」と訳していたが、それはないだろ…。

意味もなく住民を殺害。どうも仲間を警察に殺されて怒っているようだが、ギャングというよりも都市型ゲリラの蜂起みたいだ。
なぜ彼らがこんなに凶悪なのか謎。どうも太陽の黒点と因果関係があるらしいことが劇中で呟かれるが…。
何も喋らずに襲ってくるので野蛮人と呼ぶしかない。



そのギャングとトラブルになったオジさんが署に逃げこむ。

護送車の囚人も急患が出たので、この署に寄る事になる。
不敵な笑みを浮かべ、常に余裕の表情の囚人ナポレオン・ウィルソン。ファンシー・ガイ。

堂々と無言で警察署に宣戦布告をしにくるギャング。不気味…。

責任感と正義感の強い警官と囚人が協力しあってギャングの襲撃から署を守ることになる。
ほとんど言葉を交わさずに目配せと行動で互いに信頼関係を作る警官と囚人。ああ、これが映画だ。最近だと「FURY ROAD」がそうだったな。そして、少ないセリフはとても気が利いていて詩のようだ。


重低音の音楽と対照的なサイレンサーによる銃声。ピュッピュッピュップシュッという小さな音が気持ち良い。

車を盾にしてジワジワと包囲網を縮めるギャングたち。まるで中世の攻城戦だ。

殺しても殺しても突っ込んでくるギャングたち。何なんだコイツら…?

西部劇の変種であり、田舎ホラーでもある爆音上映向けのカッコイイ映画だ。
9/19(土)17:10~上映予定
予告編
カーペンターによる反復ミュージックも癖になる。そして、低音の響きが凄いので本当に爆音向き。


ロサンゼルス郊外の寂れたスラム地区の警察署が移転のため、引っ越し作業をしていた。署にいる職員は女性含めわずか。地元ギャングとトラブルになった男性が署に逃げ込んできたことから、ギャングの群れに包囲されてしまう。果たしてサバイブできるのか?
寂れた郊外の風景。

ほとんど喋らない不気味なギャングたち。白人、黒人、ヒスパニック、アジア人が混合する特異な集団。普通はありえない人種構成で映画のポリティカル・コレクトネスのせいかもしれないが、この映画では逆に効果的に作用している(『ウォリアーズ』はその辺が裏目に出ていて、この間久しぶりに見てみたら古びていた)。
それぞれ、White Warload、Black Warload、Hispanic Warload、Oriental Warloadという名前が付いているギャングの幹部たち。
そうそう、Warloadってこういうニュアンスがあるんだよな。だからイモータン・ジョーもWarloadと呼ぶとしっくりくる。Warloadって好きな言葉なんだが日本語に訳しにくい。「FURY ROAD」だと「悪」と訳していたが、それはないだろ…。

意味もなく住民を殺害。どうも仲間を警察に殺されて怒っているようだが、ギャングというよりも都市型ゲリラの蜂起みたいだ。
なぜ彼らがこんなに凶悪なのか謎。どうも太陽の黒点と因果関係があるらしいことが劇中で呟かれるが…。
何も喋らずに襲ってくるので野蛮人と呼ぶしかない。



そのギャングとトラブルになったオジさんが署に逃げこむ。

護送車の囚人も急患が出たので、この署に寄る事になる。
不敵な笑みを浮かべ、常に余裕の表情の囚人ナポレオン・ウィルソン。ファンシー・ガイ。

堂々と無言で警察署に宣戦布告をしにくるギャング。不気味…。

責任感と正義感の強い警官と囚人が協力しあってギャングの襲撃から署を守ることになる。
ほとんど言葉を交わさずに目配せと行動で互いに信頼関係を作る警官と囚人。ああ、これが映画だ。最近だと「FURY ROAD」がそうだったな。そして、少ないセリフはとても気が利いていて詩のようだ。


重低音の音楽と対照的なサイレンサーによる銃声。ピュッピュッピュップシュッという小さな音が気持ち良い。

車を盾にしてジワジワと包囲網を縮めるギャングたち。まるで中世の攻城戦だ。

殺しても殺しても突っ込んでくるギャングたち。何なんだコイツら…?

西部劇の変種であり、田舎ホラーでもある爆音上映向けのカッコイイ映画だ。
9/19(土)17:10~上映予定
予告編
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