カナザワ映画祭2015上映作品紹介その10 『マッドマックス』この道はどこに続くのか
- 2015/07/31
- 11:20
伝説の『マッドマックス』シリーズ第一作。
2、3,4の文明崩壊後の世界観の影響が大きすぎて、マッドマックス=荒野の無法地帯みたいなイメージだが、この第一作目は一応社会的インフラはかろうじて保っている世界。ちなみにこの日本版ポスターのマッドマックスのロゴはカナザワ映画祭のロゴも描いていただいた檜垣紀六氏によるデザイン。ついでに『孤高の遠吠』ロゴも檜垣氏のデザイン。

現在から遠くない未来……。道路で悪行を繰り返す暴走族と警察が対立をしていた。暴走族に妻子を殺された警官マックス・ロカタンスキー(ドイツ系の名前)は立場を捨て、復讐を開始する。「暴力には暴力を」
まだ緑が豊富な大地。4作目の「FURY ROAD」になると「木」という言葉も知らない奴がいるほどヒドい荒れ地になっていたが…。

2と3を飛ばして、この1作目のマックスが4作目のトム・ハーディになったとすると、そんなに違和感がないかも。「FURY ROAD」のトム・ハーディは一作目のメル・ギブソンに似ている。2と3を飛ばして、1と4を続けて見ると結構味わいがある。

2でも4でもあまり活躍しないインターセプターの勇姿は1でたっぷりと拝めれる。車フェチを全面に出した作品は息が長く愛される(例:トラック野郎シリーズ)。


2作目以降のマックスではあり得ないさわやかな服装。

トーカッター・チームの登場シーンは西部劇のノリだ。シリーズ中、最も憎たらしく凶悪な敵たち。


トーカッター → イモータン・ジョー。「FURY ROAD」のマックスとイモータン・ジョーは過去(前世)に会ったことがあるのだ。

トーカッターのカッコいい参謀ババ。このタイプの悪役も他の作品に大きな影響を与えた。日本の漫画にもこういうルックスの悪役が結構出ていた気がする。

首に鎖を繋がれて警察署に留置されているトーカッターの舎弟。こいつの憎たらしさは『ダーティ・ハリー』のサソリなみ。映画、漫画、小説見渡しても、「こいつは殺せ~」という気持ちが湧くほど憎たらしい悪役は珍しいので、そういうのが出てくるだけで傑作の印(そういう作品があれば教えて下さい)。荒れ果てた廃墟のような警察署が社会秩序崩壊寸前感を醸し出す(一応パソコンが置いてあるのは近未来感の演出なのか?)。この感じは黒沢清の『叫』の警察署でも出ていた。

トーカッターの舎弟は未成年なので釈放されてしまう。「こいつは許さん!」と掴みかかる同僚のグースを制止するマックス。後の作品では考えられない普通の行動をするマックス。


*
色々あって、おかしくなりそうだから警察を辞めたいというマックス。老練な上司に引き止められる。「とりあえず休暇をとれ」

田舎ホラー的な恐怖演出の休暇のシーン。シリーズで一番怖い場面。またトーカッター一味の凶悪さ不気味さがこれでもかと出ている場面でもある。お約束の「ちょっと足りない人」。この人は2にも転生して登場…。


「FURY ROAD」で活躍しなかった二連装ショットガンも大活躍な一作目。おばあちゃんが強いのは1作目からの伝統。そして不良界の常識。

妻子を殺され、とうとうマッドになったマックス。殺人の重みはシリーズの他作品とは比較にならない。車でバイクを跳ね飛ばすだけでズシンと胸に来る。

ラストカットの道路。この道路はどこに続くのか…。
このほとんど自主制作の作品が全世界で大ヒットしてジョージ・ミラーは大監督に、メル・ギブソンは大スターになり、2015年に4作目が作られるなんてことは本人たちには想像もつかなかっただろう。『マッドマックス』の製作スタッフ、出演者たちがこの時(1979年)に「FURY ROAD」見たらどう思っただろうか? 特に1と2のプロデューサー、故バイロン・ケネディの感想を聞いてみたい。

9/21(月・祝)10:00から爆音上映
2、3,4の文明崩壊後の世界観の影響が大きすぎて、マッドマックス=荒野の無法地帯みたいなイメージだが、この第一作目は一応社会的インフラはかろうじて保っている世界。ちなみにこの日本版ポスターのマッドマックスのロゴはカナザワ映画祭のロゴも描いていただいた檜垣紀六氏によるデザイン。ついでに『孤高の遠吠』ロゴも檜垣氏のデザイン。

現在から遠くない未来……。道路で悪行を繰り返す暴走族と警察が対立をしていた。暴走族に妻子を殺された警官マックス・ロカタンスキー(ドイツ系の名前)は立場を捨て、復讐を開始する。「暴力には暴力を」
まだ緑が豊富な大地。4作目の「FURY ROAD」になると「木」という言葉も知らない奴がいるほどヒドい荒れ地になっていたが…。

2と3を飛ばして、この1作目のマックスが4作目のトム・ハーディになったとすると、そんなに違和感がないかも。「FURY ROAD」のトム・ハーディは一作目のメル・ギブソンに似ている。2と3を飛ばして、1と4を続けて見ると結構味わいがある。

2でも4でもあまり活躍しないインターセプターの勇姿は1でたっぷりと拝めれる。車フェチを全面に出した作品は息が長く愛される(例:トラック野郎シリーズ)。


2作目以降のマックスではあり得ないさわやかな服装。

トーカッター・チームの登場シーンは西部劇のノリだ。シリーズ中、最も憎たらしく凶悪な敵たち。


トーカッター → イモータン・ジョー。「FURY ROAD」のマックスとイモータン・ジョーは過去(前世)に会ったことがあるのだ。

トーカッターのカッコいい参謀ババ。このタイプの悪役も他の作品に大きな影響を与えた。日本の漫画にもこういうルックスの悪役が結構出ていた気がする。

首に鎖を繋がれて警察署に留置されているトーカッターの舎弟。こいつの憎たらしさは『ダーティ・ハリー』のサソリなみ。映画、漫画、小説見渡しても、「こいつは殺せ~」という気持ちが湧くほど憎たらしい悪役は珍しいので、そういうのが出てくるだけで傑作の印(そういう作品があれば教えて下さい)。荒れ果てた廃墟のような警察署が社会秩序崩壊寸前感を醸し出す(一応パソコンが置いてあるのは近未来感の演出なのか?)。この感じは黒沢清の『叫』の警察署でも出ていた。

トーカッターの舎弟は未成年なので釈放されてしまう。「こいつは許さん!」と掴みかかる同僚のグースを制止するマックス。後の作品では考えられない普通の行動をするマックス。


*
色々あって、おかしくなりそうだから警察を辞めたいというマックス。老練な上司に引き止められる。「とりあえず休暇をとれ」

田舎ホラー的な恐怖演出の休暇のシーン。シリーズで一番怖い場面。またトーカッター一味の凶悪さ不気味さがこれでもかと出ている場面でもある。お約束の「ちょっと足りない人」。この人は2にも転生して登場…。


「FURY ROAD」で活躍しなかった二連装ショットガンも大活躍な一作目。おばあちゃんが強いのは1作目からの伝統。そして不良界の常識。

妻子を殺され、とうとうマッドになったマックス。殺人の重みはシリーズの他作品とは比較にならない。車でバイクを跳ね飛ばすだけでズシンと胸に来る。

ラストカットの道路。この道路はどこに続くのか…。
このほとんど自主制作の作品が全世界で大ヒットしてジョージ・ミラーは大監督に、メル・ギブソンは大スターになり、2015年に4作目が作られるなんてことは本人たちには想像もつかなかっただろう。『マッドマックス』の製作スタッフ、出演者たちがこの時(1979年)に「FURY ROAD」見たらどう思っただろうか? 特に1と2のプロデューサー、故バイロン・ケネディの感想を聞いてみたい。

9/21(月・祝)10:00から爆音上映
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