カナザワ映画祭2015上映作品紹介その5 『SF/ボディ・スナッチャー』身近の人間がいつの間にか別人に…
- 2015/07/16
- 12:00
共産主義者狩りの恐怖時代末期1956年にドン・シーゲルによって最初に映画化された。
これは1978年に作られたそのリメイク。
オリジナルは政治的恐怖時代のメタファーとして確実に作られていたと思うが、この1978年はどんな時代だったのだろう?
もう生まれていたけど知らないわ。
ただ、変に時代と寝ていない映画なので、今でも鮮度を保ったままだ。

ストーリーは、外宇宙から侵入してきた謎の生命体が人間を、外見は同じだが中身は別の人間モドキに取り替えてしまう。主人公の公衆衛生調査官はいつの間にか静かに進むこの侵略に必死で抗う。
おそらくストーリーの原型は西洋の「取り替え子」伝承なので、本能に訴える原初的な魅力があるのだろう。

そして、この『SF/ボディ・スナッチャー』は本当に今の日本で見られるべき作品だと思う。
知らないうちに周りの人たちの様子がおかしい。
街の雰囲気も気付かないうちにいつの間にか完全に変わってしまっている。
人々も変なことばかり話している。
疎外感。
一体どうなってしまったんだ?
この10年で日本もいつの間にかスゴい変わってしまったなあと思っていたが、その気分とシンクロする。
朝起きたらよそよそしい街の雰囲気。何かが違う。

大の大人の神父(ロバート・デュバル)がブランコで真顔で遊んでいる。変だ…。

脇役のタクシーの運ちゃんも何か必要以上に思わせぶりだ。あ、ドン・シーゲルか。

ゴミ収集車は毎朝、奇妙な物を回収している。

頼れる精神科医の知人もおかしくなった。「深く考えないで仲間になれば、憎しみも愛も争いもなくなるから、楽だぞ」と諭す。

派手な演出はないが神経症的な静かなる追い込み型演出でかなり怖い。

寝てしまうとどこにいても身体を乗っ取られてしまう。
寝るな!

乗っ取り失敗作の人面犬。

街で唯一の人間となった主人公は人間モドキに対してテロ活動に勤しむ。
孤高を保つには気合と暴力が必要だ。
取り込まれるな!
逆らい続けろ!


この作品がカナザワ映画祭2015のトリを務めるが、見た人は明日からの仕事にファイトが湧くはずだ。
9/23(水・祝)18:00から上映
予告編
これは1978年に作られたそのリメイク。
オリジナルは政治的恐怖時代のメタファーとして確実に作られていたと思うが、この1978年はどんな時代だったのだろう?
もう生まれていたけど知らないわ。
ただ、変に時代と寝ていない映画なので、今でも鮮度を保ったままだ。

ストーリーは、外宇宙から侵入してきた謎の生命体が人間を、外見は同じだが中身は別の人間モドキに取り替えてしまう。主人公の公衆衛生調査官はいつの間にか静かに進むこの侵略に必死で抗う。
おそらくストーリーの原型は西洋の「取り替え子」伝承なので、本能に訴える原初的な魅力があるのだろう。

そして、この『SF/ボディ・スナッチャー』は本当に今の日本で見られるべき作品だと思う。
知らないうちに周りの人たちの様子がおかしい。
街の雰囲気も気付かないうちにいつの間にか完全に変わってしまっている。
人々も変なことばかり話している。
疎外感。
一体どうなってしまったんだ?
この10年で日本もいつの間にかスゴい変わってしまったなあと思っていたが、その気分とシンクロする。
朝起きたらよそよそしい街の雰囲気。何かが違う。

大の大人の神父(ロバート・デュバル)がブランコで真顔で遊んでいる。変だ…。

脇役のタクシーの運ちゃんも何か必要以上に思わせぶりだ。あ、ドン・シーゲルか。

ゴミ収集車は毎朝、奇妙な物を回収している。

頼れる精神科医の知人もおかしくなった。「深く考えないで仲間になれば、憎しみも愛も争いもなくなるから、楽だぞ」と諭す。

派手な演出はないが神経症的な静かなる追い込み型演出でかなり怖い。

寝てしまうとどこにいても身体を乗っ取られてしまう。
寝るな!

乗っ取り失敗作の人面犬。

街で唯一の人間となった主人公は人間モドキに対してテロ活動に勤しむ。
孤高を保つには気合と暴力が必要だ。
取り込まれるな!
逆らい続けろ!


この作品がカナザワ映画祭2015のトリを務めるが、見た人は明日からの仕事にファイトが湧くはずだ。
9/23(水・祝)18:00から上映
予告編
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