田舎ホラー考②
- 2015/06/12
- 17:24
期待の新人監督応募作品(やっと全部見たので一段落だ)と平行して田舎ホラーを見まくっているのだけれれど、セレクションが難しい。
『ヒルズ・ハブ・アイズ』
アレクサンドル・アジャによる『サランドラ』のパワフルなリメイク。
Tomandandy(『キリング・ゾーイ』!)のドコドコサウンドは爆音向けだし、今じゃ普通の劇場では上映不可能な容赦の無い残酷描写は鮮烈だし、奇形一家のグロさとか申し分のない映画なのだけれど、田舎ホラーというよりは(この作品が田舎ホラーであることは間違いないのだが)スラッシャーのスタイルに比重が傾いているので今回は外す。
食人鬼一家の家が妙に整然としていて生活感がなかったことも田舎ホラーとしてはマイナスだった。
あとは食人鬼が怪物化し過ぎ。
『クライモリ』も良く出来た映画なのだけれど『ヒルズ・ハブ・アイズ』と同じような理由で今回は却下。
でも食人鬼たちの棲家はこちらの方のが生活感があって良かった。台詞で『脱出』についての言及も有り。
『ヒルズ・ハブ・アイズ』も『クライモリ』も食人鬼たちを退治すればその土地は浄化され全てが丸く収まるという気がする。
しかし、田舎ホラーの金字塔『脱出』と『悪魔のいけにえ』は違う。あの後味の悪さは土地そのものに邪悪さがあるような怖さがある。あの感覚が田舎ホラーの肝だと思う。
『スワンプ・ウォーター』
アメリカ南部の沼地の描写とかそこに棲むワニとか生物の描写が絶品だし、沼のほとりで野宿生活をしているオッサンとか素晴らしいのだけれど、田舎ホラーと呼べるかといえば、そうとも言えない作品。これは南部ゴシックだな。
南部ゴシックも田舎ホラーとクロスする作品が多くて難しい。


今回は第一回目のまた日本初の田舎ホラー特集なので、作品は田舎ホラー純度が高いものを厳選しようと思っている。
スラッシャーというスタイル(または予定調和)に深く入ってしまった作品は正直言って怖くもなんともないのだ。
ホラー、スリラー、サスペンス、ミステリー、アクション、西部劇など従来のようなジャンル分け不能な「田舎ホラー」作品を一生懸命選んでいるのだが難しい。
田舎ホラー作品は少しバランスが偏るとすぐに従来のジャンル映画の方に傾いてしまう。どのジャンルにも落ちずにふらふらしながらも平均台を渡りきった従来のジャンル分け不可能な純血の田舎ホラーはありそうでなかなかないものなのだ。
また、田舎ホラーを見ていく中で「ヤバい家」系ジャンルを発見したのだが、これも田舎ホラーと被るようで被らない作品も多く、機会があれば改めて「ヤバい家」映画特集をしたいと思う。
これ田舎ホラーかなあ?という作品を毎日見ながら「田舎ホラー」とは何なんだと探求する毎日である。
『ヒルズ・ハブ・アイズ』
アレクサンドル・アジャによる『サランドラ』のパワフルなリメイク。
Tomandandy(『キリング・ゾーイ』!)のドコドコサウンドは爆音向けだし、今じゃ普通の劇場では上映不可能な容赦の無い残酷描写は鮮烈だし、奇形一家のグロさとか申し分のない映画なのだけれど、田舎ホラーというよりは(この作品が田舎ホラーであることは間違いないのだが)スラッシャーのスタイルに比重が傾いているので今回は外す。
食人鬼一家の家が妙に整然としていて生活感がなかったことも田舎ホラーとしてはマイナスだった。
あとは食人鬼が怪物化し過ぎ。
ヒルズ・ハブ・アイズ [DVD]残酷描写カット版
posted with ヨメレバ
アーロン・スタンフォード アミューズソフトエンタテインメント 2008-04-25
『クライモリ』も良く出来た映画なのだけれど『ヒルズ・ハブ・アイズ』と同じような理由で今回は却下。
でも食人鬼たちの棲家はこちらの方のが生活感があって良かった。台詞で『脱出』についての言及も有り。
クライモリ デラックス版 [DVD]
posted with ヨメレバ
エリザ・デュシュク ジェネオン エンタテインメント 2005-04-22
『ヒルズ・ハブ・アイズ』も『クライモリ』も食人鬼たちを退治すればその土地は浄化され全てが丸く収まるという気がする。
しかし、田舎ホラーの金字塔『脱出』と『悪魔のいけにえ』は違う。あの後味の悪さは土地そのものに邪悪さがあるような怖さがある。あの感覚が田舎ホラーの肝だと思う。
『スワンプ・ウォーター』
アメリカ南部の沼地の描写とかそこに棲むワニとか生物の描写が絶品だし、沼のほとりで野宿生活をしているオッサンとか素晴らしいのだけれど、田舎ホラーと呼べるかといえば、そうとも言えない作品。これは南部ゴシックだな。
南部ゴシックも田舎ホラーとクロスする作品が多くて難しい。


スワンプ・ウォーター [DVD]
posted with ヨメレバ
ダナ・アンドリュース 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006-08-18
今回は第一回目のまた日本初の田舎ホラー特集なので、作品は田舎ホラー純度が高いものを厳選しようと思っている。
スラッシャーというスタイル(または予定調和)に深く入ってしまった作品は正直言って怖くもなんともないのだ。
ホラー、スリラー、サスペンス、ミステリー、アクション、西部劇など従来のようなジャンル分け不能な「田舎ホラー」作品を一生懸命選んでいるのだが難しい。
田舎ホラー作品は少しバランスが偏るとすぐに従来のジャンル映画の方に傾いてしまう。どのジャンルにも落ちずにふらふらしながらも平均台を渡りきった従来のジャンル分け不可能な純血の田舎ホラーはありそうでなかなかないものなのだ。
また、田舎ホラーを見ていく中で「ヤバい家」系ジャンルを発見したのだが、これも田舎ホラーと被るようで被らない作品も多く、機会があれば改めて「ヤバい家」映画特集をしたいと思う。
これ田舎ホラーかなあ?という作品を毎日見ながら「田舎ホラー」とは何なんだと探求する毎日である。
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