またかよリーアム・ニーソン…と言うなかれ『ラン・オールナイト』
- 2015/05/28
- 11:45
もはやどれがどの作品だかわからなくなるリーアム・ニーソンのアクション映画。
その中ではこの作品は頭が一つ飛び抜けている。

元殺し屋のリーアム・ニーソンが息子を守るために組織に歯向かう。
見たのがもう一週間前なので、記憶に残っている部分を書いてみる。
リーアム・ニーソンの息子役のジョエル・キナマンはリメイク版『ロボコップ』が残念だったけど、スウェーデン時代の「Easy Money」三部作は傑作なのでおススメ。

この三部作が世界でブレイクしてハリウッドに招かれたのに、日本では一作目しか紹介されていないようだ。勿体ない。カナザワ映画祭に任してくれれば、こういう作品を上手に紹介できるのになあ。
スウェーデン語、スペイン語、英語、セルビア語、ドイツ語が入り乱れるヨーロピアンな犯罪映画で、こういうルックの映画を日本でもできないのかなと羨ましくなる。
で、『ラン・オールナイト』は途中まではスゴく面白い。
ボスのバカ息子のせいで話がこじれて、オヤジが動かざるを得なくなる展開は『ジョン・ウィック』を思い出した。話がこじれて揉め事がエスカレートという展開はいつでも面白い。
この作品でもリーアム・ニーソンが暴走する前に稲妻の閃光が走った。この半年間に見た映画で稲妻が走る犯罪映画がいくつかあったが、どれも水準以上の映画だった。主人公が事を起こす前に稲妻を走らせるのは時代も国籍も関係なく演出のセオリーのようだ。
元殺し屋のリーアム・ニーソンが食堂で侘びしく食事をしていると、刑事がやって来て、「お前、結局本当は何人殺したんだ?」と因縁をつけるシーンも良かった。警察が人を沢山殺していると分かっているヤツを逮捕できずに野放しにしているという状況が「どんな荒んだ街なの?」と心底恐怖を抱かせる。これに似た感覚は恐怖ノンフィクション「愛犬家連続殺人事件」でも感じた。こういう田舎ホラー的なフィーリングにはゾクゾクしてしまう。
ただ、舞台のニューヨークがどうしても荒んだ感じの街に見えず、豊かなイメージなのでそこは残念。都会のネオン街で犯罪映画を作っても最早殺伐感は出せない。殺伐感は地方じゃないと出せないのは全世界共通のようだ。
汚職警官が襲ってくるという設定もニューヨークみたいな大都市でそれはあり得ないだろと思ってしまうので空回りしていた。
黒人だけが住む団地での派手なアクションシーンは韓国映画『泣く男』をパクっているような気がした。主人公を追う殺し屋が負傷して手が使えないので両足の太ももで銃をはさんでリロードする同じような場面まであった。
でも、『ラン・オールナイト』の方の殺し屋はなんだかパッとしなかったなあ。リーアム・ニーソンが強すぎるからか…。
後半にいくにつれ普通のアクションになってしまい残念。リーアム・ニーソンが汚職警官のパトカーをチェイスするシーンまでがドライヴ感も最高で良かったのだが、ここまでが頂点で後は失速していった。
あと、アイスコーヒーを飲みながら見ていたのだけれど尿意に我慢できず、後半は「早く終われ!」と念じながら見ていたのも良くなかったな。
映画を見る前、見ている間にアイスコーヒーは飲まないほうがいいです。
その中ではこの作品は頭が一つ飛び抜けている。

元殺し屋のリーアム・ニーソンが息子を守るために組織に歯向かう。
見たのがもう一週間前なので、記憶に残っている部分を書いてみる。
リーアム・ニーソンの息子役のジョエル・キナマンはリメイク版『ロボコップ』が残念だったけど、スウェーデン時代の「Easy Money」三部作は傑作なのでおススメ。

この三部作が世界でブレイクしてハリウッドに招かれたのに、日本では一作目しか紹介されていないようだ。勿体ない。カナザワ映画祭に任してくれれば、こういう作品を上手に紹介できるのになあ。
スウェーデン語、スペイン語、英語、セルビア語、ドイツ語が入り乱れるヨーロピアンな犯罪映画で、こういうルックの映画を日本でもできないのかなと羨ましくなる。
イージーマネー [DVD]
posted with ヨメレバ
ジョエル・キンナマン ファインフィルムズ 2011-07-08
で、『ラン・オールナイト』は途中まではスゴく面白い。
ボスのバカ息子のせいで話がこじれて、オヤジが動かざるを得なくなる展開は『ジョン・ウィック』を思い出した。話がこじれて揉め事がエスカレートという展開はいつでも面白い。
この作品でもリーアム・ニーソンが暴走する前に稲妻の閃光が走った。この半年間に見た映画で稲妻が走る犯罪映画がいくつかあったが、どれも水準以上の映画だった。主人公が事を起こす前に稲妻を走らせるのは時代も国籍も関係なく演出のセオリーのようだ。
元殺し屋のリーアム・ニーソンが食堂で侘びしく食事をしていると、刑事がやって来て、「お前、結局本当は何人殺したんだ?」と因縁をつけるシーンも良かった。警察が人を沢山殺していると分かっているヤツを逮捕できずに野放しにしているという状況が「どんな荒んだ街なの?」と心底恐怖を抱かせる。これに似た感覚は恐怖ノンフィクション「愛犬家連続殺人事件」でも感じた。こういう田舎ホラー的なフィーリングにはゾクゾクしてしまう。
ただ、舞台のニューヨークがどうしても荒んだ感じの街に見えず、豊かなイメージなのでそこは残念。都会のネオン街で犯罪映画を作っても最早殺伐感は出せない。殺伐感は地方じゃないと出せないのは全世界共通のようだ。
汚職警官が襲ってくるという設定もニューヨークみたいな大都市でそれはあり得ないだろと思ってしまうので空回りしていた。
黒人だけが住む団地での派手なアクションシーンは韓国映画『泣く男』をパクっているような気がした。主人公を追う殺し屋が負傷して手が使えないので両足の太ももで銃をはさんでリロードする同じような場面まであった。
でも、『ラン・オールナイト』の方の殺し屋はなんだかパッとしなかったなあ。リーアム・ニーソンが強すぎるからか…。
後半にいくにつれ普通のアクションになってしまい残念。リーアム・ニーソンが汚職警官のパトカーをチェイスするシーンまでがドライヴ感も最高で良かったのだが、ここまでが頂点で後は失速していった。
あと、アイスコーヒーを飲みながら見ていたのだけれど尿意に我慢できず、後半は「早く終われ!」と念じながら見ていたのも良くなかったな。
映画を見る前、見ている間にアイスコーヒーは飲まないほうがいいです。
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