309人のナチを殺した女スナイパーの実話『ロシアン・スナイパー』
- 2015/05/09
- 13:32
第二次世界大戦でドイツ兵を309人狙撃したロシアン・女スナイパー、パヴリチェンコ(Людмила Михайловна Павличенко)の実話を映画化。
女スナイパーは『フルメタル・ジャケット』以後に多数映画の中で登場したが、この作品のように主人公というのは珍しいので期待して見た。

ストーリーは、狙撃の才能で赤軍エリート狙撃部隊にスカウトされた女学生パヴリチェンコの独ソ戦従軍記。

実際のパヴリチェンコちゃん。309人ナチを殺しました。

二時間の映画なのに戦闘シーンが一時間経ってからやっと出てくるロシア的なゆったりした作り。最近のアメリカ映画なら『アメリカン・スナイパー』のように最初に戦闘シーンを持ってきて、そこからの回想という形で始めるだろう。この映画だと1957年モスクワでの回想→1942年アメリカでの回想→1937年ウクライナ→1941年のセヴァストポリの戦いという進み方なのでまだるっこしい。タイトさに欠ける。
1942年、ホワイトハウスでの祝賀会で、「ファシストを309人殺しました」と答え、「レディ・デス」と呼ばれてアメリカで大スターになる。なんとルーズベルト夫人に気に入られて、滞在中はホワイトハウスに宿泊することになる。

ウディ・ガスリーに曲を作ってもらう。イイ曲だなあ。
歌詞もイイ。
実は期待ほど面白いという映画ではなかったので、スクショ引用で紹介するのもダルい。
なので、この主題歌のミュージッククリップをどうぞ。映画の中の見せ場の寄せ集めなので本編より面白い。この主題歌も割といいと思う。
狙撃シーンにあまり工夫がないのか、ケレン味がない(『アメリカン・スナイパー』でも出てきた例の弾道スローモーションシーンも出てくるけど、あれはもうちょっと古いのでは…ゲームでもさんざん出てきたし、もういいわ)のか、アッサリし過ぎなのか特にこれといったイイ場面もなかった。まあ普通の狙撃銃でドイツ軍の三号戦車をやっつけるというメチャクチャなシーンもあるにはあるが…。

戦争映画の定番演出「敵兵のポケットに家族写真」。これもうやめようや…。

死んでいったソヴィエト人民の顔顔顔…のモンタージュが写り、その後はアメリカでの演説の場面。そしてスタンディングオベーション。定番のプロパガンダ。でも、それについて特に文句もない。戦勝国の映画は自国のプロパガンダだし、敗戦国の戦争映画は自国の反省か敵戦勝国のプロパガンダになるのは普通。それが普通の戦争映画。その普通には当てはまらない戦争映画も少数あるがそういう傑作は本当に稀。今真っ先に思いつく限りだと、ソ連映画ながらなぜかプロパガンダ臭がしない『炎628』、プロパガンダを皮肉った『スターシップ・トゥルーパーズ』とかだなあ。アルドリッチの『燃える戦場』もなぜか日本軍がジェントルマンで、アメリカ軍が卑劣という作品だった。


実際のパヴリチェンコ嬢のスピーチ。ちょっと映画よりイカつい。そして、例によって雑なロシアの吹き替えシステム。アメリカ映画でも何でも元のセリフの上にオッサンとかオバサンのロシア語が乱暴に被さる。こんなんで映画見てるんだからロシア人はスゴい。
パヴリチェンコはウクライナ人でこの作品もクレジットを見ると、ロシア=ウクライナ(ロシア傀儡政府?)合作になっていたが、現在のウクライナ紛争+大祖国戦争勝利七十周年を合わせたロシアのダブル・プロパガンダ映画なのかな?
プロパガンダでも何でもいいんだけど、「セヴァストポリの戦い」なら、これを出して欲しかったなあ。
強固なセヴァストポリ要塞にとどめを刺したドイツ軍の超巨大列車砲ドーラ。射程距離40キロ、操作に1500人以上が必要で、一時間に三発しか撃てなかったらしい。このバケモノが出てくると思い込んで期待して見たけど、一瞬も出てこなかったのでガッカリだった。まあ、ドーラVS狙撃銃とかサイズが違い過ぎるもんな…。


7トンの弾。

実際の勇姿。
中国でもこういう戦争映画作られないかなあ? 日本鬼子100人を狙撃した八路軍の女狙撃手とかいないの?
女スナイパーは『フルメタル・ジャケット』以後に多数映画の中で登場したが、この作品のように主人公というのは珍しいので期待して見た。

ストーリーは、狙撃の才能で赤軍エリート狙撃部隊にスカウトされた女学生パヴリチェンコの独ソ戦従軍記。

実際のパヴリチェンコちゃん。309人ナチを殺しました。

二時間の映画なのに戦闘シーンが一時間経ってからやっと出てくるロシア的なゆったりした作り。最近のアメリカ映画なら『アメリカン・スナイパー』のように最初に戦闘シーンを持ってきて、そこからの回想という形で始めるだろう。この映画だと1957年モスクワでの回想→1942年アメリカでの回想→1937年ウクライナ→1941年のセヴァストポリの戦いという進み方なのでまだるっこしい。タイトさに欠ける。
1942年、ホワイトハウスでの祝賀会で、「ファシストを309人殺しました」と答え、「レディ・デス」と呼ばれてアメリカで大スターになる。なんとルーズベルト夫人に気に入られて、滞在中はホワイトハウスに宿泊することになる。

ウディ・ガスリーに曲を作ってもらう。イイ曲だなあ。
歌詞もイイ。
Fell by your gun, yes,
Fell by your gun
For more than three hundred Nazis fell by your gun.
実は期待ほど面白いという映画ではなかったので、スクショ引用で紹介するのもダルい。
なので、この主題歌のミュージッククリップをどうぞ。映画の中の見せ場の寄せ集めなので本編より面白い。この主題歌も割といいと思う。
狙撃シーンにあまり工夫がないのか、ケレン味がない(『アメリカン・スナイパー』でも出てきた例の弾道スローモーションシーンも出てくるけど、あれはもうちょっと古いのでは…ゲームでもさんざん出てきたし、もういいわ)のか、アッサリし過ぎなのか特にこれといったイイ場面もなかった。まあ普通の狙撃銃でドイツ軍の三号戦車をやっつけるというメチャクチャなシーンもあるにはあるが…。

戦争映画の定番演出「敵兵のポケットに家族写真」。これもうやめようや…。

死んでいったソヴィエト人民の顔顔顔…のモンタージュが写り、その後はアメリカでの演説の場面。そしてスタンディングオベーション。定番のプロパガンダ。でも、それについて特に文句もない。戦勝国の映画は自国のプロパガンダだし、敗戦国の戦争映画は自国の反省か敵戦勝国のプロパガンダになるのは普通。それが普通の戦争映画。その普通には当てはまらない戦争映画も少数あるがそういう傑作は本当に稀。今真っ先に思いつく限りだと、ソ連映画ながらなぜかプロパガンダ臭がしない『炎628』、プロパガンダを皮肉った『スターシップ・トゥルーパーズ』とかだなあ。アルドリッチの『燃える戦場』もなぜか日本軍がジェントルマンで、アメリカ軍が卑劣という作品だった。


実際のパヴリチェンコ嬢のスピーチ。ちょっと映画よりイカつい。そして、例によって雑なロシアの吹き替えシステム。アメリカ映画でも何でも元のセリフの上にオッサンとかオバサンのロシア語が乱暴に被さる。こんなんで映画見てるんだからロシア人はスゴい。
パヴリチェンコはウクライナ人でこの作品もクレジットを見ると、ロシア=ウクライナ(ロシア傀儡政府?)合作になっていたが、現在のウクライナ紛争+大祖国戦争勝利七十周年を合わせたロシアのダブル・プロパガンダ映画なのかな?
プロパガンダでも何でもいいんだけど、「セヴァストポリの戦い」なら、これを出して欲しかったなあ。
強固なセヴァストポリ要塞にとどめを刺したドイツ軍の超巨大列車砲ドーラ。射程距離40キロ、操作に1500人以上が必要で、一時間に三発しか撃てなかったらしい。このバケモノが出てくると思い込んで期待して見たけど、一瞬も出てこなかったのでガッカリだった。まあ、ドーラVS狙撃銃とかサイズが違い過ぎるもんな…。


7トンの弾。

実際の勇姿。
中国でもこういう戦争映画作られないかなあ? 日本鬼子100人を狙撃した八路軍の女狙撃手とかいないの?
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