その男、臆病につき…『ハイエナ』
- 2015/05/08
- 11:48
イギリスのハードなバイオレンス映画を期待して鑑賞。

ストーリーは、主人公の汚職刑事がアルバニア人のギャングと付き合ううちにドツボにハマる。
出だしは主人公たち警察の強襲班がナイトクラブに手入れを行うシーン。現場に向かう車の場面や、手入れシーンがちょっと緊張感が足りず、間延びしているので、ここでアレッ?と思う。夜の街のロケーションも正直パッとしない。どこがどう悪いのか説明できないが、北野武映画のように佇んでいる男たちのカットやロケーションだけで惹きつけてしまうアレがない。もしかしてあんまり面白くない映画かも…と予感。



主人公の刑事は暴力が苦手なのか臆病で隠れていたりする。ハイエナなんでそれはそれでいいのだが…。

暴力シーンは全体から見ると少なめ。少なめなのは少なめでもいいのだが…(多けりゃいいってもんでもないし)。
止め画で見ると結構強烈な画だけど、映画で見るとそうでもない。パンチ不足なのかなんなのかイマイチ。



主人公の消極性のせいでストーリーにドライヴ感がないのと、イマイチな暴力シーンよりも問題なのは登場人物たちがそんなにイイ顔ではないところ。どことなくふやけている。北野武映画のように男たちが立っているだけ、座っているだけで面白いという場面が一つもない。

居酒屋もうまく撮れてない。『キッズ・リターン』や『龍三と七人の子分たち』などの居酒屋シーンはどうしてあんなに良いのか謎だが、この監督には参考にしてほしい。

取り調べシーンもなんか…。『アウトレイジ』の取り調べシーンを見てほしい。

終わり方もなあ…。娯楽映画でこの終わり方はないだろ…。
何も解決できずに半泣きで終了。

全体としてみれば地味なイギリス犯罪映画の佳作というところなので、特に貶す気もないが、期待していたのでこんな感想になった。
予告編
この映画を見た後、思い立って『BROTHER』の海外ブルーレイ版(たけし映画の国内ブルーレイ版がほとんど出ていないのは謎。黒沢清作品しかり)をちょっとかけてみたら、これが面白くて止め時が見つからず結局最後まで見てしまった。

正直、暴力シーンは15年経って古びているのだけれど、男たちの佇みシーンの半端ない良さやロケーションの素晴らしさ、食堂シーンの面白さで最後まで見てしまった。
久しぶりに見ると古びていた暴力シーン。
雑魚扱いのメキシカン・ギャング。今だと一番ヤバイ相手…。


今見るとチョット恥ずかしいこの台詞。ちなみにシンガポール人は悪気なく「JAP、JAP」言ってきます。

ギャグシーンは当時から「?」だったけど、時間が経ってさらにクドくつまらなくなっていた。このキレの無さは何なのだろうか? これに比べると『龍三と七人の子分たち』のギャグは安心できるギャグだ。

しかし、北野映画の本質は暴力でもギャグでもなかった。この下に並んでいるような画だった。何度見てもイイ。







説明台詞とかほとんどなくて登場シーンも少ないけれど強烈に印象に残る『BROTHER』の登場人物たちを見ていると、そいつの過去の回想シーンとか映画に必要ないと分かる。男の顔は履歴書だ。
『ブラック・レイン』松田優作みたいな演技のイケイケ加藤雅也。

日本語も話せず、英語でも無口な日系人の石橋凌。でも情には熱いらしい。

川谷拓三そっくりの若い衆。

はらわたが飛び出している大杉漣を目の前にしても動じず飯を食う六平直政。こいつは確実に修羅場に慣れたキチガイだ。

何度見ても面白い映画ですな。

ストーリーは、主人公の汚職刑事がアルバニア人のギャングと付き合ううちにドツボにハマる。
出だしは主人公たち警察の強襲班がナイトクラブに手入れを行うシーン。現場に向かう車の場面や、手入れシーンがちょっと緊張感が足りず、間延びしているので、ここでアレッ?と思う。夜の街のロケーションも正直パッとしない。どこがどう悪いのか説明できないが、北野武映画のように佇んでいる男たちのカットやロケーションだけで惹きつけてしまうアレがない。もしかしてあんまり面白くない映画かも…と予感。



主人公の刑事は暴力が苦手なのか臆病で隠れていたりする。ハイエナなんでそれはそれでいいのだが…。

暴力シーンは全体から見ると少なめ。少なめなのは少なめでもいいのだが…(多けりゃいいってもんでもないし)。
止め画で見ると結構強烈な画だけど、映画で見るとそうでもない。パンチ不足なのかなんなのかイマイチ。



主人公の消極性のせいでストーリーにドライヴ感がないのと、イマイチな暴力シーンよりも問題なのは登場人物たちがそんなにイイ顔ではないところ。どことなくふやけている。北野武映画のように男たちが立っているだけ、座っているだけで面白いという場面が一つもない。

居酒屋もうまく撮れてない。『キッズ・リターン』や『龍三と七人の子分たち』などの居酒屋シーンはどうしてあんなに良いのか謎だが、この監督には参考にしてほしい。

取り調べシーンもなんか…。『アウトレイジ』の取り調べシーンを見てほしい。

終わり方もなあ…。娯楽映画でこの終わり方はないだろ…。
何も解決できずに半泣きで終了。

全体としてみれば地味なイギリス犯罪映画の佳作というところなので、特に貶す気もないが、期待していたのでこんな感想になった。
予告編
この映画を見た後、思い立って『BROTHER』の海外ブルーレイ版(たけし映画の国内ブルーレイ版がほとんど出ていないのは謎。黒沢清作品しかり)をちょっとかけてみたら、これが面白くて止め時が見つからず結局最後まで見てしまった。

正直、暴力シーンは15年経って古びているのだけれど、男たちの佇みシーンの半端ない良さやロケーションの素晴らしさ、食堂シーンの面白さで最後まで見てしまった。
久しぶりに見ると古びていた暴力シーン。
雑魚扱いのメキシカン・ギャング。今だと一番ヤバイ相手…。


今見るとチョット恥ずかしいこの台詞。ちなみにシンガポール人は悪気なく「JAP、JAP」言ってきます。

ギャグシーンは当時から「?」だったけど、時間が経ってさらにクドくつまらなくなっていた。このキレの無さは何なのだろうか? これに比べると『龍三と七人の子分たち』のギャグは安心できるギャグだ。

しかし、北野映画の本質は暴力でもギャグでもなかった。この下に並んでいるような画だった。何度見てもイイ。







説明台詞とかほとんどなくて登場シーンも少ないけれど強烈に印象に残る『BROTHER』の登場人物たちを見ていると、そいつの過去の回想シーンとか映画に必要ないと分かる。男の顔は履歴書だ。
『ブラック・レイン』松田優作みたいな演技のイケイケ加藤雅也。

日本語も話せず、英語でも無口な日系人の石橋凌。でも情には熱いらしい。

川谷拓三そっくりの若い衆。

はらわたが飛び出している大杉漣を目の前にしても動じず飯を食う六平直政。こいつは確実に修羅場に慣れたキチガイだ。

何度見ても面白い映画ですな。
カナザワ映画祭 関連書籍