ウォーキング・デッド シーズン5
- 2014/11/27
- 18:45

飽きっぽいけど惰性で何とか見続けているゾンビ物の海外ドラマ。
シーズン1はフランク・ダラボンが関わっているせいか最終話までテンションが落ちなかったような気がする。
また、爆弾のような三角関係が描かれ、文明崩壊後の痴話はJ・G・バラード作品のような趣があったような気がしないでもない。
シーズン2は森のなかでグダグダしているだけで暗いシーンも多く、全く印象に残らないつまらない内容だった。
シーズン3は独裁者ガバナーのグループとの抗争が描かれテンションも高く、面白かった。
シーズン4はまたガクッと質が下がり、またシーズン2のように森のなかでグダグダしているだけの内容で全く内容を覚えていない。
シーズン5は人間が人間を食べる人喰い族が最初に出てきて、おっ!となったが2~3話でそいつらも退治され、ガッカリ。その後、警察組織を維持する少し頭のイカレタ集団がでてくるがそんな面白くもない。時系列が前後する凝ったストーリー展開だが、こちらも森をウロウロするシーンが多い印象だ。
今後面白い展開になるのだろうか?
で、このシリーズを見ていて気付いたのだが、ゾンビってそんなに人間の脅威にならないよね?
ゾンビで文明崩壊とかあり得ないね。
すでに全人類がゾンビウイルスに感染していて、死ぬと皆、自動的にゾンビになるとしても、保健所で対処できそうだ。
元々ユーザー製作のMODから発展してミリオンセラーにまでなったPCのリアル・ゾンビ・シミュレーター「DayZ」でも真の脅威はゾンビではなく他のプレイヤーだった。
人間よりゾンビの多い荒野でたまに出会う他プレイヤーとの邂逅は、いきなり撃ってくる奴がほとんどで緊張感に溢れていた。あの殺伐感のあるゲーム性は素晴らしく、金の亡者の多くのゲーム会社がゾンビのように群がりパクったほどだ(今やプロがアマからパクる時代)。

ならず者たちに身ぐるみを剥がされているところ。ゾンビなんかより人間が怖い。
『ウォーキング・デッド』もシーズン3辺りからゾンビは単なる障害物扱いで、真の脅威はキチガイの人間になった。

シーズン3で登場する物腰柔らかい狂気の独裁者ガバナー。ヒューマンガス様並に話の分かる男。
どうもシーズン5は色々なキチガイ人物を登場させて繋いでいくような内容だけど、ゾンビの影が薄くなっているのは何とかならないだろうか?
『バイオハザード』シリーズとか見ていると、邪道だなあと思うけど新種ゾンビとかどうだろうか?
漫画「アイアムアヒーロー」に出てくる新種ZQNは割りとイイ線いっていると思う。
(余談だが、この漫画も早く終わらせないと、他の名作扱いされているけど実はダラダラ長いだけでつまらない「GANTZ」、「ベルセルク」、「バガボンド」、浦沢直樹作品全部みたいなことになるだろう。手塚治虫作品や「AKIRA」、「寄生獣」、「風の谷のナウシカ」、「暗黒神話」などを見習ったほうが良い。これらは10巻以内でスゴいスケールの作品描かれている。「進撃の巨人」も辻褄わせのためか現在話のスケールがどんどん小さくなっていっているのが残念。当初の巨人の人外の感じから内輪の人間関係で話が収斂しそうな様子だ)。

『ウォーキング・デッド』シリーズもシーズン5まで続きダラダラ長いシリーズとなってしまったが、この話はどこに向かうのだろうか?
とりあえず風景に飽きたから、森の中をウロウロするのだけはやめて欲しい。

21世紀になっても映画にゲームに小説にとやたらゾンビのように数だけは大量にリリースされるゾンビ物。
これでも30年近くゾンビを愛してきたが、未だに同じことをやり続けていて飽きてくる。
新機軸は出せないのか?
ロメロが当初『死霊のえじき』で構想していたが、予算の関係で断念したという、マインドコントロールされたゾンビたちが通常ゾンビと都市部で大バトルを繰り広げるという話を大予算で実現できないものだろうか?そのマインドコントロール・ゾンビは銃も撃つらしい。
マシンガンを乱射するゾンビの面白さは『ゾンビコップ』で証明済みだ。

そういえば90年位のSNKのアーケードゲーム「ビーストバスターズ」でも都会で銃を乱射するゾンビが出てきて最高の世界観だった。数多くあるゾンビゲームの中でもTOP5に入る傑作だったな、あれは。

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