ホワイトタイガー
- 2014/11/25
- 22:36
2012年のロシア製独ソ戦の戦車映画。
今年のはじめに日本でも公開されていたようだ。

日本版ビジュアルはいつものように激安photoshop加工+変な副題「ナチス極秘戦車・宿命の放火」のせいでC級映画みたいにされているが、撮影やセット、俳優の演技などはクオリティが高く、実際のT34やISU-152重突撃砲などソ連製兵器も多数登場する。
しかし、ストーリーがなんとも不思議というかバランスが悪いというか、それが他にはないオリジナリティー溢れる作品となっている。
スケール感のあるドイツ軍降伏シーン。

記憶喪失で不死身の体を持つソビエト赤軍の戦車兵が主人公で、そいつがドイツ軍も存在を把握していない幽霊タイガー戦車と戦うという話。
主人公専用のピーキーな改造を施したT34-85と幽霊タイガーの割と派手な決闘も出てくるが、なぜか決着はつかず、その後急に妙に間延びしたユーモアのあるドイツの降伏シーン(降伏したドイツの将軍たちソ連側から出されたアイスクリームを食べるところ)へ飛び、次は地獄かどこかでヒトラーが思想を語る場面で幕となる。結局、主人公が何者だったのかも描かれない。
娯楽映画と呼ぶには後半のシーンに戦いがないのがバランスが悪く、芸術映画と呼ぶには俗っぽい何とも変な映画。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』とかがソ連時代にあったが、ロシア文化の違いなのだろうか?
あと、毎回ロシアの戦争映画には必ずと言っていいほどモンゴル系のアジア人が脇に配役されているが、ロシアにもハリウッドのようなポリティカル・コレクトネスがあるのか? だとしたら、ロシアでも一応人権に配慮することがあるんだな。
ロシア本国では3D映画として公開されたようだ。

主人公のT34-85をはじめ、ソ連製兵器は本物が多数登場し軍オタはヨダレを流して喜びそうだが、残念ながら肝心のタイガー戦車がおそらくT34を改造したまがい物であまり出来が良くない。

左右のキャタピラの幅が狭く、砲身が前に位置しすぎているため、タイガー戦車に見えない。
この辺のディテールについては我が国の宮崎駿先生が詳しい。

上記は傑作戦記漫画「泥まみれの虎」からの一コマ。
宮﨑駿にはどうか亡くなる前に戦いのないヌルいアニメではなく、こういう硬派な戦争物をアニメにしていただきたいと思う。
『ホワイトタイガー』はこういう部分の詰めの甘さが残念。まあハリウッド大作の『プライベート・ライアン』でさえ変な偽タイガー戦車が出てきた(前半のオマハ・ビーチに勝るとも劣らない後半の街での戦闘シーン)くらいだからなかなか再現が難しいのだろう。
今月末に公開されるハリウッド戦車映画の『フューリー』はその辺どうなのだろうか?

ハリウッドも宇宙船やらロボットやらどうでもいい物をリアルなCGで再現するよりこういうタイガー戦車とか実在の物をリアルに再現してほしいものだ。
今年のはじめに日本でも公開されていたようだ。

日本版ビジュアルはいつものように激安photoshop加工+変な副題「ナチス極秘戦車・宿命の放火」のせいでC級映画みたいにされているが、撮影やセット、俳優の演技などはクオリティが高く、実際のT34やISU-152重突撃砲などソ連製兵器も多数登場する。
しかし、ストーリーがなんとも不思議というかバランスが悪いというか、それが他にはないオリジナリティー溢れる作品となっている。
スケール感のあるドイツ軍降伏シーン。

記憶喪失で不死身の体を持つソビエト赤軍の戦車兵が主人公で、そいつがドイツ軍も存在を把握していない幽霊タイガー戦車と戦うという話。
主人公専用のピーキーな改造を施したT34-85と幽霊タイガーの割と派手な決闘も出てくるが、なぜか決着はつかず、その後急に妙に間延びしたユーモアのあるドイツの降伏シーン(降伏したドイツの将軍たちソ連側から出されたアイスクリームを食べるところ)へ飛び、次は地獄かどこかでヒトラーが思想を語る場面で幕となる。結局、主人公が何者だったのかも描かれない。
娯楽映画と呼ぶには後半のシーンに戦いがないのがバランスが悪く、芸術映画と呼ぶには俗っぽい何とも変な映画。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』とかがソ連時代にあったが、ロシア文化の違いなのだろうか?
あと、毎回ロシアの戦争映画には必ずと言っていいほどモンゴル系のアジア人が脇に配役されているが、ロシアにもハリウッドのようなポリティカル・コレクトネスがあるのか? だとしたら、ロシアでも一応人権に配慮することがあるんだな。
ロシア本国では3D映画として公開されたようだ。

主人公のT34-85をはじめ、ソ連製兵器は本物が多数登場し軍オタはヨダレを流して喜びそうだが、残念ながら肝心のタイガー戦車がおそらくT34を改造したまがい物であまり出来が良くない。

左右のキャタピラの幅が狭く、砲身が前に位置しすぎているため、タイガー戦車に見えない。
この辺のディテールについては我が国の宮崎駿先生が詳しい。

上記は傑作戦記漫画「泥まみれの虎」からの一コマ。
宮﨑駿にはどうか亡くなる前に戦いのないヌルいアニメではなく、こういう硬派な戦争物をアニメにしていただきたいと思う。
『ホワイトタイガー』はこういう部分の詰めの甘さが残念。まあハリウッド大作の『プライベート・ライアン』でさえ変な偽タイガー戦車が出てきた(前半のオマハ・ビーチに勝るとも劣らない後半の街での戦闘シーン)くらいだからなかなか再現が難しいのだろう。
今月末に公開されるハリウッド戦車映画の『フューリー』はその辺どうなのだろうか?

ハリウッドも宇宙船やらロボットやらどうでもいい物をリアルなCGで再現するよりこういうタイガー戦車とか実在の物をリアルに再現してほしいものだ。
- 関連記事
-
- ホワイトタイガー
- おい…、『この世界の片隅に』
- 明日土曜日から『宇宙人の画家』東京上映開始です!!
カナザワ映画祭 関連書籍