怪獣映画が見たかったのに…『モンスターズ/新種襲来』
- 2015/03/17
- 23:07
ギャレス・エドワーズの出世作『モンスターズ/地球外生命体』の続編。

一種の風景映画だった『モンスターズ/地球外生命体』は世評とは逆に感傷的過ぎる演出(風景+音楽=感傷的)が苦手であまり面白くなかった。『ゴジラ』も主人公の家族ドラマが本当に必要なのか?と思わせ退屈だった。

さて、『モンスターズ/地球外生命体』の続編である本作は予告編で結構良さそうだったので期待して見た。監督はTV出身のトム・グリーンという新人。ギャレス・エドワーズはプロデュースらしい。
オープニングで米軍のスナイパーがイスラム武装勢力の要人を狙撃。『アメリカン・スナイパー』? あれ?おれは怪獣映画を見ているはずなんだが…。


なぜか観測手がいなかった『アメリカン・スナイパー』だが、こちらはきちんと観測手が望遠鏡で監視中。でも、そんなことはどうでもいいから早う怪獣を。

舞台は変わってデトロイト。いやあスゴい景色だな。『ロボコップ』どころではない荒れ果て感。え?で、怪獣は? 戦場に送られる前のデトロイトの若者たちの日常がドラッグ・パーティーシーンなど絡めて映し出される。おい!そんなのはいいから、怪獣は!?


そして、舞台は中東に。おお、やっと怪獣出てきた。こんなデカイのが群れでいるのか。さあ、戦え戦え。あれ?怪獣はスルーして、こいつらイスラム武装勢力と戦いだしたぞ!? おい!怪獣は景色か?


延々と続く米軍VSイスラム武装勢力の戦闘シーン…。マジでどうでもいい。おいおい…怪獣映画見たいんだけど…。

『ハート・ロッカー』風のイスラム武装勢力スナイパーとの戦闘。まあ、そういうの好きだけど、これ怪獣映画じゃないの?

『ゼロ・ダーク・サーティ』風の夜の戦闘。だから…怪獣を…。

例のスナイパーがイスラム武装勢力との戦いでPTSDになり、部下の兵士に射殺される。『アメリカン・スナイパー』かよ…。怪獣は?

そんな心を病んだ人間たちを「クオーン」と鳴き声で癒やす怪獣だった。イルカかよ…。そんなもん見たくないんだよ。怪獣が人を喰うところ見たいんだよ。そんな趣味の悪い成金の家に飾ってあるイルカの絵みたいなスピリチュアルな場面は勘弁してくれ…。


心に響かない虚しい決めショット。こういう場面に必ず感動的な音楽が流れウルサイ。景色のカットは長さと音楽を間違えると感傷的になり過ぎてダメだ。



前作並に感傷的な内容で、しかも怪獣映画とも言えないピントのずれた作品だ。でも最新の4kカメラで撮ったような画とドルビーアトモスのような音響はハイレベルなテクだった。この撮影と音響の技術を『NIGHT SAFARI』と『孤高の遠吠』をモノにした小林勇貴カントクに与えたい。センスに技術が合わさりカンペキな作品を撮ってしまうだろう。

一種の風景映画だった『モンスターズ/地球外生命体』は世評とは逆に感傷的過ぎる演出(風景+音楽=感傷的)が苦手であまり面白くなかった。『ゴジラ』も主人公の家族ドラマが本当に必要なのか?と思わせ退屈だった。

さて、『モンスターズ/地球外生命体』の続編である本作は予告編で結構良さそうだったので期待して見た。監督はTV出身のトム・グリーンという新人。ギャレス・エドワーズはプロデュースらしい。
オープニングで米軍のスナイパーがイスラム武装勢力の要人を狙撃。『アメリカン・スナイパー』? あれ?おれは怪獣映画を見ているはずなんだが…。


なぜか観測手がいなかった『アメリカン・スナイパー』だが、こちらはきちんと観測手が望遠鏡で監視中。でも、そんなことはどうでもいいから早う怪獣を。

舞台は変わってデトロイト。いやあスゴい景色だな。『ロボコップ』どころではない荒れ果て感。え?で、怪獣は? 戦場に送られる前のデトロイトの若者たちの日常がドラッグ・パーティーシーンなど絡めて映し出される。おい!そんなのはいいから、怪獣は!?


そして、舞台は中東に。おお、やっと怪獣出てきた。こんなデカイのが群れでいるのか。さあ、戦え戦え。あれ?怪獣はスルーして、こいつらイスラム武装勢力と戦いだしたぞ!? おい!怪獣は景色か?


延々と続く米軍VSイスラム武装勢力の戦闘シーン…。マジでどうでもいい。おいおい…怪獣映画見たいんだけど…。

『ハート・ロッカー』風のイスラム武装勢力スナイパーとの戦闘。まあ、そういうの好きだけど、これ怪獣映画じゃないの?

『ゼロ・ダーク・サーティ』風の夜の戦闘。だから…怪獣を…。

例のスナイパーがイスラム武装勢力との戦いでPTSDになり、部下の兵士に射殺される。『アメリカン・スナイパー』かよ…。怪獣は?

そんな心を病んだ人間たちを「クオーン」と鳴き声で癒やす怪獣だった。イルカかよ…。そんなもん見たくないんだよ。怪獣が人を喰うところ見たいんだよ。そんな趣味の悪い成金の家に飾ってあるイルカの絵みたいなスピリチュアルな場面は勘弁してくれ…。


心に響かない虚しい決めショット。こういう場面に必ず感動的な音楽が流れウルサイ。景色のカットは長さと音楽を間違えると感傷的になり過ぎてダメだ。



前作並に感傷的な内容で、しかも怪獣映画とも言えないピントのずれた作品だ。でも最新の4kカメラで撮ったような画とドルビーアトモスのような音響はハイレベルなテクだった。この撮影と音響の技術を『NIGHT SAFARI』と『孤高の遠吠』をモノにした小林勇貴カントクに与えたい。センスに技術が合わさりカンペキな作品を撮ってしまうだろう。
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