カナザワ映画祭2019「萬國癲狂博覽會」 in 新潟上越高田世界館
- 2019/08/05
- 05:32
カナザワ映画祭2019「萬國癲狂博覽會」 in 新潟上越高田世界館

メインビジュアル画:太田螢一 メインビジュアル着色:mad sculptures デザイン監修:檜垣紀六
各国の精神病院映画を集めた博覧会が高田世界館で開催!!
高田世界館とは?
新潟県上越市で営業している日本最古の映画館(明治44年築)。当初は芝居小屋として始まったが、大正11年に映画館に改装。戦前は帝国陸軍第13師団の娯楽施設として賑わった。あの蒋介石も陸軍幼年学校時代に通ったという。この浪漫溢れる劇場で狂える映画群を四日間に渡って上映する。



塚本晋也監督による高田世界館の映像
※注意!全作品・イベントを鑑賞すると精神に異常をきたすおそれがあります。
◎上映作品
いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか
1983年/ニュージーランド/78分
監督・脚本:デヴィッド・ブライス
脚本:マイケル・ハース
音楽:マーク・ニコラス
出演:マイケル・ハースト、マーガレット・アンバース、ゲアリー・デイ、デヴィッド・レッチ
精神科医ハウエル博士に催眠術をかけられたマイケルは両親を殺害し精神病院に強制入院させられる。年月が経ち退院したマイケルは復讐のためハウエル博士一味に壮絶な闘いを挑む。世界で二番目に長い映画タイトル。略題は『マイドク』。

悪魔の狂暴パニック
1978年/アメリカ/94分
監督・脚本:ジェフ・リーバーマン
音楽:チャールズ・グロス
出演:ザルマン・キング、デボラ・ウィンタース、マーク・ゴダード、ロバート・ウォーデン
LAで髪が抜け落ちた狂人たちによる惨殺事件が続発するが、その原因は彼らが若い頃に服用した麻薬ブルー・サンシャインの後遺症だった。ドラッグの危険性を訴えた麻薬絶対反対映画。

マルチプル・マニアックス
1970年/アメリカ/96分
製作・撮影・脚本・監督:ジョン・ウォーターズ
出演:ディヴァイン、デヴィッド・ローチャリー、メアリー・ヴィヴィアン・ピアース、ミンク・ストール
変態見世物小屋の座長ディヴァインは、彼氏に浮気され発狂し悪逆非道の限りを尽くすが、最後は巨大ザリガニに強姦され、警官隊から集中砲火を受け絶命する。若き23歳のジョン・ウォーターズが完成させた最狂の作品がデジタル・リマスターの完全版で日本初劇場公開。

悪魔の生体実験
1956年/アメリカ/82分
監督:レジナルド・ル・ボーグ
脚本:ジョン・C・ヒギンズ
音楽:レス・バクスター
出演:ベイジル・ラスボーン、エイキム・タミロフ、ロン・チェイニー・Jr、ジョン・キャラダイン、ベラ・ルゴシ、トー・ジョンソン
狂人キャッドマン博士は人々を誘拐し頭蓋骨手術の生体実験を繰り返していた。だが、その理由は愛する妻の脳腫瘍を治療するためだった。心温まる愛の映画。

惨殺!
1963年/イギリス/86分
監督:マイケル・カレラス
製作・脚本:ジミー・サングスター
撮影:ウィルキー・クーパー
音楽:スタンリー・ブラック
出演:カーウィン・マシューズ、ナディア・グレイ、ドナルド・ヒューストン、リリアン・ブラウス
娘を強姦された父親がその男をアセチレン・ガスバーナーで炙り殺し、精神病院に入れられる。数年後、病院を脱走した父親はガスバーナーで娘に近づく男たちを焼き殺す。強烈なショッキング映画なので女性は同伴での鑑賞をおすすめ。

ジャンク・イン・ザ・ダーク
1982年/アメリカ/93分
監督・脚本:ジャック・ショルダー
製作・原案:ロバート・シェイ
出演:ジャック・パランス、ドナルド・プレザンス、マーティン・ランドー、ドワイト・シュルツ
ある精神病院から最も狂暴な患者四人組が斧を手に脱走。その時近郊の町は停電になっていた。暗闇の町で乱暴狼藉陵辱の限りを尽くす狂人たち。話の通じない人間の恐怖!

夜明けの脱走患者
1981年/フランス/95分
監督・脚本:ジャン・ローラン
脚本:ジャック・ラルフ
出演:ローレンス・デュバス、クリスチャン・コッペ、ブリジット・ラーエ、マリアンヌ・バリオット
精神病院から脱走した少女二人組は気まぐれな旅を続ける。女だけの旅芸人一座に合流し、非日常の世界へと誘われる。アンニュイな夢を見るかのような映像体験。

夜の狩猟
1980年/フランス/87分
監督・脚本:ジャン・ローラン
出演:ブリジット・ラーエ、ヴィンセント・ガルデーレ、ドミニク・ジュールネ、バーナード・パピニュ、レイチェル・マース
近未来、ある精神病院では、患者の記憶と人格を改変する生体実験が行われていた。脳に障害を負わされた女はこの病院の謎を暴くため、虚ろな意識のまま組織の謎を探る。

南東から来た男
1986年/アルゼンチン/107分
監督・脚本:エリセオ・スビエラ
撮影:リカルド・デ・アンヘリス
音楽:ペドロ・アスナール
出演:ウーゴ・ソト、ロレンツォ・クィンテロス、イレーネ・ベルネンゴ
ブエノス・アイレスの精神病院に突然出現したランテスという名の男。彼に関する記録は何もない。一体何者なのか?宇宙人の来訪を主張する彼を妄想症と診断するが、患者たちは彼を救世主として崇め始める。

マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺
1967年/イギリス/119分
監督:ピーター・ブルック
脚本:ペータ・ヴァイス
撮影:デヴィッド・ワトキン
出演:パトリック・マギー、イアン・リチャードソン、グレンダ・ジャクソン
サド侯爵が収監されているシャラントン精神病院では、治療の一環として患者たちによる舞台劇が上演されていた。演目はフランス革命の英雄マラーの暗殺劇だった。多重に入り組んだ構造を持つ本作は、世界一長い映画タイトルを持つ作品としても有名。略題は『マラサド』。

チチカット・フォーリーズ
1967年/アメリカ/84分
製作・監督:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・マーシャル
マサチューセッツ州ブリッジウォーターにある精神異常犯罪者のための州立刑務所マサチューセッツ矯正院の日常を克明に描いたドキュメンタリー作品。合衆国裁判所で一般上映が禁止された唯一の作品である。永年にわたる裁判の末にようやく上映が許可された。

ザ・クランプス 精神病院ライブ
1981年/アメリカ/20分
製作・監督・編集:ジョー・リーズ
出演:ザ・クランプス、ナパ州立精神病院の患者たち
サイコビリー・ロックバンド“ザ・クランプス”による精神病院での慈善ライブの記録映像。
弁士楽団付活動写真上映

ドグラ・マグラ
1988年/日本/109分
原作:夢野久作 監督:松本俊夫 脚本:松本俊夫、大和屋竺
撮影:鈴木達夫 美術:木村威夫、斉藤岩男 照明:海野義雄
音楽:三宅榛名 製作:柴田秀司、清水一夫
出演:桂枝雀、松田洋治、室田日出男、三沢恵里、江波杏子
小説家 夢野久作が心血を注いだ「ドグラ・マグラ」は、読者を幻惑して迷宮世界の虜にする。この魔物に、斬新な映像作家 松本俊夫のメガホンの下、個性溢れるキャスト陣と精鋭スタッフが挑んだ。天才肌の落語家 桂枝雀、実力が漲る松田洋治、存在感のある室田日出男ほか個性派揃いのキャスト陣と、鬼才 大和屋竺(脚本)、名匠 木村威夫(美術)、熟練 鈴木達夫(撮影)らの感性がスクリーンに魔物の化身を解き放った。35mm上映。

©1988 KATSUJIN DO CINEMA

©1988 KATSUJIN DO CINEMA
★初公開記念特別上映上映
都市投影劇画 ホライズンブルー
2019年/日本/112分
原作:近藤ようこ(青林工藝舎刊)
脚本・潤色・演出:R・H・アノニマス
作画・撮影・編集・音響:原田浩
企画・製作:密閉映画霧生館
エスカレートする我が子への虐待で精神病院に入れられてしまう晴子。それは彼女の母、そして祖母から続く親から子への暴力の負の歴史だった。あまりに深刻なテーマをあの『地下幻燈劇画 少女椿』の監督が24年の歳月をかけて独力で作り上げた魂のアニメーション作品。ワールドプレミア上映。




★LIP's presents SF映画二本立てパフォーマンス上映

ロッキー・ホラー・ショー
1975年/イギリス/100分
監督・脚本:ジム・シャーマン
原作・脚本・作詞作曲・出演:リチャード・オブライエン
音楽:リチャード・ハートレイ
出演:ティム・カリー、バリー・ボストウィック、スーザン・サランドン、パトリシア・クイン、ネル・キャンベル
人里離れた地で嵐に見舞われた新婚カップルは、フランケン・フルタ-博士の奇妙な古城で一夜を過ごすことになる。主人公たちが体験する狂気の体験を、観客も参加して体験せよ!

ショック・トリートメント
1981年/アメリカ、イギリス/94分
監督・脚本:ジム・シャーマン
脚本・音楽・出演:リチャード・オブライエン
音楽:リチャード・ハートレイ
出演:ジェシカ・ハーパー、クリフ・デ・ヤング、パトリシア・クイン、チャールズ・グレイ、ネル・キャンベル
前作『ロッキー・ホラー・ショー』から数年後、あの新婚カップルはTV局が支配する町で破局の危機に瀕していた。マッキンリー博士の陰謀で夫は精神病院に入院、妻はTVスターにされたのだ。日本初劇場公開。

※ロッキー・ホラー・ショーの楽しみ方
今回もロッキー・ホラー・ショーファンクラブLIP’Sが初体験の皆さんをグイグイ優しくリードします!
■ ルールはこれだけ
水、米、火気厳禁
物を投げる時は真上にトス
※その代わり、紙吹雪やトイレットペーパーを真上に投げるのはOK。
■ そんなことしていいの?
いいんです。物語の進行と共に歌い踊り、時には(というかずっと)ツッコミを入れるのが参加型上映のお約束。
■「タイムワープ」って何?
なぜかロッキー・ホラーでは重要とされている踊り。
LIP'Sの振付レクチャーもありますので誰でも簡単に踊れます。
■ 小道具の使い方
・新聞紙
雨の中、城へ向かうシーン。
読んでいた新聞を傘代わりにかぶるので、一緒にかぶろう。
・ペンライトorサイリウム
“There’s a light”
光が見える~とアホカップルが歌うので、ライター代わりに光るものを掲げよう。スマホの画面でもいいですよ。
・紙吹雪
盛り上がったらいつでも撒いてOK。
フランクとロッキーが結婚行進曲をバックに寝室へと消えるシーンはマスト!
・クラッカー
Wow!と思ったら鳴らせばOK。
・ノイズメーカー
招かれ客たちがガラガラと音を鳴らすタイミングで、一緒に鳴らそう。
★もっと知りたくなったらLIP'SのFBページにアクセス
それでは会場でお会いできるのを楽しみにしています!
Let's do the time warp again!
LIP'S 会長 Arthur Takehara

★弁士楽団付活動写真上映

カリガリ博士
1919年/ドイツ/77分
監督:ロベルト・ウイーネ
脚本:ハンス・ヤノヴィッツ、カール・マイヤー
出演:コンラート・ファイト、ヴェルナー・クラウス、リル・ダゴファー、フリードリッヒ・フェーヘル
カリガリ博士が催眠術を使って、サーカスの眠り男チェザーレを操り連続殺人を企てる。ドイツ表現主義の名作無声映画が活動弁士による弁舌と伴奏で製作から100年後に蘇る!!

狂った一頁
1926年/日本/71分
製作・監督・脚色:衣笠貞之助
原作・脚色:川端康成
撮影:杉山公平
撮影補助:円谷英一
出演:井上正夫、中川芳江、飯島綾子、 関操
精神病院で雑用係として働く夫と患者の妻の目を通して描かれる狂気の世界。ドイツ表現主義に影響を受けた前衛映画を活動弁士による弁舌と伴奏で彩る。

◎弁士
片岡一郎
2002年に澤登翠に入門。これまでに説明した無声映画は350本以上。国外への活動写真弁士文化発信も積極的に行っており18ヶ国で公演。東京国際映画祭歌舞伎座スペシャル、ポルデノーネ無声映画祭などに出演。周防作品『カツベン!』に出演と協力で参加、大河ドラマ『いだてん』にも出演。

◎楽団
ムジカ・モスカータ
生駒 祐子
アコーディオン奏者。mama!milkとして発表した数々のアルバム作品が国内外で話題となる。近年は、『メトロポリス』の伴奏他、白井晃演出舞台「夢の劇」、さわひらき映像作品「Platter」、塩田千春展での「2台のコントラバスと古い扉とアコーディオンと無数の鍵による組曲」の発表等、舞台や美術作品の音楽にも深く関わっている。

波多野 敦子
主に5弦ヴィオラを使用、弦の生音にエフェクターを通した重低音やノイズ、古典的なハーモニーを組み合わせ独自のサウンドを生み出す。今年ヨーロッパ4カ国11本のソロ・ライブツアーを決行。MOCKY、折坂悠太、石橋英子、ジム・オルークらのアルバムやライブにも参加。フジテレビドラマ「朝顔」主題歌の管弦アレンジを担当。

BUN Imai
打楽器奏者。幼少よりピアノ、作曲、ドラムス、マンドラ、パーカッションを通して音楽に親しむ。近年の主な参加作品:舞台「100万回生きたねこ(I.Pinto&A.Pollak演出)」「虹のかけら~もうひとりのジュディ(三谷幸喜演出)」「アダムスファミリー(白井晃演出)」他、TVドラマ「漱石悶々」、映画『ペンギン・ハイウェイ』他

◎トークイベント
★「映画の生体解剖」~感染する妄想 狂気としての映画~
稲生平太郎✕高橋洋
当映画祭恒例の「映画の生体解剖」トーク。今回は「映画は狂っている」という基本認識を前提に二人が語り尽くす!
トークの前には高橋洋の新作短編『宇宙の裏返し』を上映!!

稲生平太郎
1954年大阪生まれ。作家。著書に幻想小説 『アクアリウムの夜』 および 『アムネジア』、UFO、オカルト論 『定本 何かが空を飛んでいる』、高橋洋との対談集 『映画の生体解剖』など。横山名義の著書としては 『聖別された肉体』、『異形のテクスト』、『神の聖なる天使たち』、『死者の饗宴』(訳書、近刊)など。

高橋洋
1959年千葉生まれ。脚本作に『女優霊』『リング』『インフェルノ蹂躙』『復讐 運命の訪問者』『蛇の道』『発狂する唇』『血を吸う宇宙』『おろち』など。監督作に『ソドムの市』『狂気の海』『恐怖』『旧支配者のキャロル』『霊的ボリシェヴィキ』。著書に「映画の魔」、稲生平太郎との共著「映画の生体解剖」。『宇宙の裏返し』が最新作。

宇宙の裏返し
2019年/日本/24分
監督・脚本:高橋洋
撮影:中瀬慧
音楽:長嶌寛幸
出演:鰐淵恵美、釜口恵太、河野知美、湯川紋子、塩島清隆
かつて入院先の病院で「宇宙の裏返し」と名付けた奇怪な絵画を描いた女はそのせいで症状が悪化し、今は解放治療施設に転院していた。そこに以前の主治医、正木博士が訪ねて来るが……。

★「映画の精神療法」~映画で人は癒やされるのか?~
春日武彦✕平山夢明
「映画で人は癒やされるのか」をテーマに精神科医の春日武彦と作家の平山夢明が語る。

春日武彦
精神科医。日本医科大学卒。産婦人科医として6年間勤務した後、障害児を産んだ母親のフォローを契機として精神科医に。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院精神科部長などを経て、現在も臨床に携わる。著書に「私家版・精神医学事典」「鬱屈精神科医、お祓いを試みる」「精神科医は腹の底で何を考えているか」など。平山夢明との共著に「サイコパス解剖学」「サイコパスの手帖」など。

平山夢明
「デルモンテ平山」名義で数々の映画・ビデオ批評を執筆する中、1996年「SINKER 沈むもの」で小説家デビュー。2006年「独白するユニバーサル横メルカトル」で日本推理作家協会賞短編賞、2010年「DINER」で日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞をW受賞。著書に「ミサイルマン」「他人事」「或るろくでなしの死」「暗くて静かでロックな娘」「デブを捨てに」「あむんぜん」や怪談実話シリーズ「「超」怖い話」「東京伝説」「怖い人」など。

©寺澤太郎
★クーロン黒沢の「忘れられない人々」
クーロン黒沢が長い旅の間に邂逅した「忘れられない人々」を秘蔵映像と併せて語る。

クーロン黒沢
1971年東京生まれ。人生再インストールマガジン「シックスサマナ」発行人。90年代にサブカル旅関連の書籍を書き散らかす。代表作は「裏アジア紀行(幻冬舎アウトロー文庫)」「エネマグラ教典(太田出版)」など。人生の節目で巡り合った一騎当千の英雄たちを取材・撮影した映像作品『幻の動物王国』『鏡の中の戦争』『世にも奇妙な浮遊人』等をアマゾン・プライムビデオで公開中。

◎タイムテーブル

◎チケット
◆一回鑑賞券 前売1,400円 当日1,600円 ※各作品トークイベントごとに販売します。
◆『狂った一頁』、『カリガリ博士』伴奏活弁士付上映は、それぞれ前売3,000円 当日3,500円となります。
◆全日フリーパス 前売30,000円 ※全作品(伴奏付き上映含む)と全トークイベントを鑑賞できます。 ※特製限定版映画祭ポスター付き
●各鑑賞券の変更、払い戻しはいたしません。
●カナザワ映画祭2019サポーターの方は優先入場できます。
※チケット取扱:高田世界館(新潟県上越市本町6丁目4−21)、カナザワ映画祭公式サイト

メインビジュアル画:太田螢一 メインビジュアル着色:mad sculptures デザイン監修:檜垣紀六
各国の精神病院映画を集めた博覧会が高田世界館で開催!!
高田世界館とは?
新潟県上越市で営業している日本最古の映画館(明治44年築)。当初は芝居小屋として始まったが、大正11年に映画館に改装。戦前は帝国陸軍第13師団の娯楽施設として賑わった。あの蒋介石も陸軍幼年学校時代に通ったという。この浪漫溢れる劇場で狂える映画群を四日間に渡って上映する。



塚本晋也監督による高田世界館の映像
※注意!全作品・イベントを鑑賞すると精神に異常をきたすおそれがあります。
◎上映作品
いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか
1983年/ニュージーランド/78分
監督・脚本:デヴィッド・ブライス
脚本:マイケル・ハース
音楽:マーク・ニコラス
出演:マイケル・ハースト、マーガレット・アンバース、ゲアリー・デイ、デヴィッド・レッチ
精神科医ハウエル博士に催眠術をかけられたマイケルは両親を殺害し精神病院に強制入院させられる。年月が経ち退院したマイケルは復讐のためハウエル博士一味に壮絶な闘いを挑む。世界で二番目に長い映画タイトル。略題は『マイドク』。

悪魔の狂暴パニック
1978年/アメリカ/94分
監督・脚本:ジェフ・リーバーマン
音楽:チャールズ・グロス
出演:ザルマン・キング、デボラ・ウィンタース、マーク・ゴダード、ロバート・ウォーデン
LAで髪が抜け落ちた狂人たちによる惨殺事件が続発するが、その原因は彼らが若い頃に服用した麻薬ブルー・サンシャインの後遺症だった。ドラッグの危険性を訴えた麻薬絶対反対映画。

マルチプル・マニアックス
1970年/アメリカ/96分
製作・撮影・脚本・監督:ジョン・ウォーターズ
出演:ディヴァイン、デヴィッド・ローチャリー、メアリー・ヴィヴィアン・ピアース、ミンク・ストール
変態見世物小屋の座長ディヴァインは、彼氏に浮気され発狂し悪逆非道の限りを尽くすが、最後は巨大ザリガニに強姦され、警官隊から集中砲火を受け絶命する。若き23歳のジョン・ウォーターズが完成させた最狂の作品がデジタル・リマスターの完全版で日本初劇場公開。

悪魔の生体実験
1956年/アメリカ/82分
監督:レジナルド・ル・ボーグ
脚本:ジョン・C・ヒギンズ
音楽:レス・バクスター
出演:ベイジル・ラスボーン、エイキム・タミロフ、ロン・チェイニー・Jr、ジョン・キャラダイン、ベラ・ルゴシ、トー・ジョンソン
狂人キャッドマン博士は人々を誘拐し頭蓋骨手術の生体実験を繰り返していた。だが、その理由は愛する妻の脳腫瘍を治療するためだった。心温まる愛の映画。

惨殺!
1963年/イギリス/86分
監督:マイケル・カレラス
製作・脚本:ジミー・サングスター
撮影:ウィルキー・クーパー
音楽:スタンリー・ブラック
出演:カーウィン・マシューズ、ナディア・グレイ、ドナルド・ヒューストン、リリアン・ブラウス
娘を強姦された父親がその男をアセチレン・ガスバーナーで炙り殺し、精神病院に入れられる。数年後、病院を脱走した父親はガスバーナーで娘に近づく男たちを焼き殺す。強烈なショッキング映画なので女性は同伴での鑑賞をおすすめ。

ジャンク・イン・ザ・ダーク
1982年/アメリカ/93分
監督・脚本:ジャック・ショルダー
製作・原案:ロバート・シェイ
出演:ジャック・パランス、ドナルド・プレザンス、マーティン・ランドー、ドワイト・シュルツ
ある精神病院から最も狂暴な患者四人組が斧を手に脱走。その時近郊の町は停電になっていた。暗闇の町で乱暴狼藉陵辱の限りを尽くす狂人たち。話の通じない人間の恐怖!

夜明けの脱走患者
1981年/フランス/95分
監督・脚本:ジャン・ローラン
脚本:ジャック・ラルフ
出演:ローレンス・デュバス、クリスチャン・コッペ、ブリジット・ラーエ、マリアンヌ・バリオット
精神病院から脱走した少女二人組は気まぐれな旅を続ける。女だけの旅芸人一座に合流し、非日常の世界へと誘われる。アンニュイな夢を見るかのような映像体験。

夜の狩猟
1980年/フランス/87分
監督・脚本:ジャン・ローラン
出演:ブリジット・ラーエ、ヴィンセント・ガルデーレ、ドミニク・ジュールネ、バーナード・パピニュ、レイチェル・マース
近未来、ある精神病院では、患者の記憶と人格を改変する生体実験が行われていた。脳に障害を負わされた女はこの病院の謎を暴くため、虚ろな意識のまま組織の謎を探る。

南東から来た男
1986年/アルゼンチン/107分
監督・脚本:エリセオ・スビエラ
撮影:リカルド・デ・アンヘリス
音楽:ペドロ・アスナール
出演:ウーゴ・ソト、ロレンツォ・クィンテロス、イレーネ・ベルネンゴ
ブエノス・アイレスの精神病院に突然出現したランテスという名の男。彼に関する記録は何もない。一体何者なのか?宇宙人の来訪を主張する彼を妄想症と診断するが、患者たちは彼を救世主として崇め始める。

マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺
1967年/イギリス/119分
監督:ピーター・ブルック
脚本:ペータ・ヴァイス
撮影:デヴィッド・ワトキン
出演:パトリック・マギー、イアン・リチャードソン、グレンダ・ジャクソン
サド侯爵が収監されているシャラントン精神病院では、治療の一環として患者たちによる舞台劇が上演されていた。演目はフランス革命の英雄マラーの暗殺劇だった。多重に入り組んだ構造を持つ本作は、世界一長い映画タイトルを持つ作品としても有名。略題は『マラサド』。

チチカット・フォーリーズ
1967年/アメリカ/84分
製作・監督:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・マーシャル
マサチューセッツ州ブリッジウォーターにある精神異常犯罪者のための州立刑務所マサチューセッツ矯正院の日常を克明に描いたドキュメンタリー作品。合衆国裁判所で一般上映が禁止された唯一の作品である。永年にわたる裁判の末にようやく上映が許可された。

ザ・クランプス 精神病院ライブ
1981年/アメリカ/20分
製作・監督・編集:ジョー・リーズ
出演:ザ・クランプス、ナパ州立精神病院の患者たち
サイコビリー・ロックバンド“ザ・クランプス”による精神病院での慈善ライブの記録映像。
弁士楽団付活動写真上映

ドグラ・マグラ
1988年/日本/109分
原作:夢野久作 監督:松本俊夫 脚本:松本俊夫、大和屋竺
撮影:鈴木達夫 美術:木村威夫、斉藤岩男 照明:海野義雄
音楽:三宅榛名 製作:柴田秀司、清水一夫
出演:桂枝雀、松田洋治、室田日出男、三沢恵里、江波杏子
小説家 夢野久作が心血を注いだ「ドグラ・マグラ」は、読者を幻惑して迷宮世界の虜にする。この魔物に、斬新な映像作家 松本俊夫のメガホンの下、個性溢れるキャスト陣と精鋭スタッフが挑んだ。天才肌の落語家 桂枝雀、実力が漲る松田洋治、存在感のある室田日出男ほか個性派揃いのキャスト陣と、鬼才 大和屋竺(脚本)、名匠 木村威夫(美術)、熟練 鈴木達夫(撮影)らの感性がスクリーンに魔物の化身を解き放った。35mm上映。

©1988 KATSUJIN DO CINEMA

©1988 KATSUJIN DO CINEMA
★初公開記念特別上映上映
都市投影劇画 ホライズンブルー
2019年/日本/112分
原作:近藤ようこ(青林工藝舎刊)
脚本・潤色・演出:R・H・アノニマス
作画・撮影・編集・音響:原田浩
企画・製作:密閉映画霧生館
エスカレートする我が子への虐待で精神病院に入れられてしまう晴子。それは彼女の母、そして祖母から続く親から子への暴力の負の歴史だった。あまりに深刻なテーマをあの『地下幻燈劇画 少女椿』の監督が24年の歳月をかけて独力で作り上げた魂のアニメーション作品。ワールドプレミア上映。




★LIP's presents SF映画二本立てパフォーマンス上映

ロッキー・ホラー・ショー
1975年/イギリス/100分
監督・脚本:ジム・シャーマン
原作・脚本・作詞作曲・出演:リチャード・オブライエン
音楽:リチャード・ハートレイ
出演:ティム・カリー、バリー・ボストウィック、スーザン・サランドン、パトリシア・クイン、ネル・キャンベル
人里離れた地で嵐に見舞われた新婚カップルは、フランケン・フルタ-博士の奇妙な古城で一夜を過ごすことになる。主人公たちが体験する狂気の体験を、観客も参加して体験せよ!

ショック・トリートメント
1981年/アメリカ、イギリス/94分
監督・脚本:ジム・シャーマン
脚本・音楽・出演:リチャード・オブライエン
音楽:リチャード・ハートレイ
出演:ジェシカ・ハーパー、クリフ・デ・ヤング、パトリシア・クイン、チャールズ・グレイ、ネル・キャンベル
前作『ロッキー・ホラー・ショー』から数年後、あの新婚カップルはTV局が支配する町で破局の危機に瀕していた。マッキンリー博士の陰謀で夫は精神病院に入院、妻はTVスターにされたのだ。日本初劇場公開。

※ロッキー・ホラー・ショーの楽しみ方
今回もロッキー・ホラー・ショーファンクラブLIP’Sが初体験の皆さんをグイグイ優しくリードします!
■ ルールはこれだけ
水、米、火気厳禁
物を投げる時は真上にトス
※その代わり、紙吹雪やトイレットペーパーを真上に投げるのはOK。
■ そんなことしていいの?
いいんです。物語の進行と共に歌い踊り、時には(というかずっと)ツッコミを入れるのが参加型上映のお約束。
■「タイムワープ」って何?
なぜかロッキー・ホラーでは重要とされている踊り。
LIP'Sの振付レクチャーもありますので誰でも簡単に踊れます。
■ 小道具の使い方
・新聞紙
雨の中、城へ向かうシーン。
読んでいた新聞を傘代わりにかぶるので、一緒にかぶろう。
・ペンライトorサイリウム
“There’s a light”
光が見える~とアホカップルが歌うので、ライター代わりに光るものを掲げよう。スマホの画面でもいいですよ。
・紙吹雪
盛り上がったらいつでも撒いてOK。
フランクとロッキーが結婚行進曲をバックに寝室へと消えるシーンはマスト!
・クラッカー
Wow!と思ったら鳴らせばOK。
・ノイズメーカー
招かれ客たちがガラガラと音を鳴らすタイミングで、一緒に鳴らそう。
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それでは会場でお会いできるのを楽しみにしています!
Let's do the time warp again!
LIP'S 会長 Arthur Takehara

★弁士楽団付活動写真上映

カリガリ博士
1919年/ドイツ/77分
監督:ロベルト・ウイーネ
脚本:ハンス・ヤノヴィッツ、カール・マイヤー
出演:コンラート・ファイト、ヴェルナー・クラウス、リル・ダゴファー、フリードリッヒ・フェーヘル
カリガリ博士が催眠術を使って、サーカスの眠り男チェザーレを操り連続殺人を企てる。ドイツ表現主義の名作無声映画が活動弁士による弁舌と伴奏で製作から100年後に蘇る!!

狂った一頁
1926年/日本/71分
製作・監督・脚色:衣笠貞之助
原作・脚色:川端康成
撮影:杉山公平
撮影補助:円谷英一
出演:井上正夫、中川芳江、飯島綾子、 関操
精神病院で雑用係として働く夫と患者の妻の目を通して描かれる狂気の世界。ドイツ表現主義に影響を受けた前衛映画を活動弁士による弁舌と伴奏で彩る。

◎弁士
片岡一郎
2002年に澤登翠に入門。これまでに説明した無声映画は350本以上。国外への活動写真弁士文化発信も積極的に行っており18ヶ国で公演。東京国際映画祭歌舞伎座スペシャル、ポルデノーネ無声映画祭などに出演。周防作品『カツベン!』に出演と協力で参加、大河ドラマ『いだてん』にも出演。

◎楽団
ムジカ・モスカータ
生駒 祐子
アコーディオン奏者。mama!milkとして発表した数々のアルバム作品が国内外で話題となる。近年は、『メトロポリス』の伴奏他、白井晃演出舞台「夢の劇」、さわひらき映像作品「Platter」、塩田千春展での「2台のコントラバスと古い扉とアコーディオンと無数の鍵による組曲」の発表等、舞台や美術作品の音楽にも深く関わっている。

波多野 敦子
主に5弦ヴィオラを使用、弦の生音にエフェクターを通した重低音やノイズ、古典的なハーモニーを組み合わせ独自のサウンドを生み出す。今年ヨーロッパ4カ国11本のソロ・ライブツアーを決行。MOCKY、折坂悠太、石橋英子、ジム・オルークらのアルバムやライブにも参加。フジテレビドラマ「朝顔」主題歌の管弦アレンジを担当。

BUN Imai
打楽器奏者。幼少よりピアノ、作曲、ドラムス、マンドラ、パーカッションを通して音楽に親しむ。近年の主な参加作品:舞台「100万回生きたねこ(I.Pinto&A.Pollak演出)」「虹のかけら~もうひとりのジュディ(三谷幸喜演出)」「アダムスファミリー(白井晃演出)」他、TVドラマ「漱石悶々」、映画『ペンギン・ハイウェイ』他

◎トークイベント
★「映画の生体解剖」~感染する妄想 狂気としての映画~
稲生平太郎✕高橋洋
当映画祭恒例の「映画の生体解剖」トーク。今回は「映画は狂っている」という基本認識を前提に二人が語り尽くす!
トークの前には高橋洋の新作短編『宇宙の裏返し』を上映!!

稲生平太郎
1954年大阪生まれ。作家。著書に幻想小説 『アクアリウムの夜』 および 『アムネジア』、UFO、オカルト論 『定本 何かが空を飛んでいる』、高橋洋との対談集 『映画の生体解剖』など。横山名義の著書としては 『聖別された肉体』、『異形のテクスト』、『神の聖なる天使たち』、『死者の饗宴』(訳書、近刊)など。

高橋洋
1959年千葉生まれ。脚本作に『女優霊』『リング』『インフェルノ蹂躙』『復讐 運命の訪問者』『蛇の道』『発狂する唇』『血を吸う宇宙』『おろち』など。監督作に『ソドムの市』『狂気の海』『恐怖』『旧支配者のキャロル』『霊的ボリシェヴィキ』。著書に「映画の魔」、稲生平太郎との共著「映画の生体解剖」。『宇宙の裏返し』が最新作。

宇宙の裏返し
2019年/日本/24分
監督・脚本:高橋洋
撮影:中瀬慧
音楽:長嶌寛幸
出演:鰐淵恵美、釜口恵太、河野知美、湯川紋子、塩島清隆
かつて入院先の病院で「宇宙の裏返し」と名付けた奇怪な絵画を描いた女はそのせいで症状が悪化し、今は解放治療施設に転院していた。そこに以前の主治医、正木博士が訪ねて来るが……。

★「映画の精神療法」~映画で人は癒やされるのか?~
春日武彦✕平山夢明
「映画で人は癒やされるのか」をテーマに精神科医の春日武彦と作家の平山夢明が語る。

春日武彦
精神科医。日本医科大学卒。産婦人科医として6年間勤務した後、障害児を産んだ母親のフォローを契機として精神科医に。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院精神科部長などを経て、現在も臨床に携わる。著書に「私家版・精神医学事典」「鬱屈精神科医、お祓いを試みる」「精神科医は腹の底で何を考えているか」など。平山夢明との共著に「サイコパス解剖学」「サイコパスの手帖」など。

平山夢明
「デルモンテ平山」名義で数々の映画・ビデオ批評を執筆する中、1996年「SINKER 沈むもの」で小説家デビュー。2006年「独白するユニバーサル横メルカトル」で日本推理作家協会賞短編賞、2010年「DINER」で日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞をW受賞。著書に「ミサイルマン」「他人事」「或るろくでなしの死」「暗くて静かでロックな娘」「デブを捨てに」「あむんぜん」や怪談実話シリーズ「「超」怖い話」「東京伝説」「怖い人」など。

©寺澤太郎
★クーロン黒沢の「忘れられない人々」
クーロン黒沢が長い旅の間に邂逅した「忘れられない人々」を秘蔵映像と併せて語る。

クーロン黒沢
1971年東京生まれ。人生再インストールマガジン「シックスサマナ」発行人。90年代にサブカル旅関連の書籍を書き散らかす。代表作は「裏アジア紀行(幻冬舎アウトロー文庫)」「エネマグラ教典(太田出版)」など。人生の節目で巡り合った一騎当千の英雄たちを取材・撮影した映像作品『幻の動物王国』『鏡の中の戦争』『世にも奇妙な浮遊人』等をアマゾン・プライムビデオで公開中。

◎タイムテーブル

◎チケット
◆一回鑑賞券 前売1,400円 当日1,600円 ※各作品トークイベントごとに販売します。
◆『狂った一頁』、『カリガリ博士』伴奏活弁士付上映は、それぞれ前売3,000円 当日3,500円となります。
◆全日フリーパス 前売30,000円 ※全作品(伴奏付き上映含む)と全トークイベントを鑑賞できます。 ※特製限定版映画祭ポスター付き
●各鑑賞券の変更、払い戻しはいたしません。
●カナザワ映画祭2019サポーターの方は優先入場できます。
※チケット取扱:高田世界館(新潟県上越市本町6丁目4−21)、カナザワ映画祭公式サイト
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