メキシコ麻薬戦争の周辺文化ナルコ・クルトゥーラのドキュメンタリー『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』
- 2015/02/28
- 21:34

原題の「Narco Cultura」が表しているようにメキシコ麻薬戦争そのものを記録したドキュメンタリーではなく、その周辺文化の「ナルコ・クルトゥーラ」を記録したドキュメンタリー。なので作品自体には深刻さは感じられない。だから、これを見てメキシコ麻薬戦争を深刻に語られても困る。アメリカの西海岸でナルコ・コリドというジャンルを演奏するミュージシャンたちや、アメリカとメキシコの国境の街、エルパソとシウダ・フアレス...
人喰い人魚の襲撃『マーメイド NYMPH』
- 2015/02/27
- 12:23
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かつてナチスの人体実験が行われていたバルカン半島の孤島で、主人公たちが人喰い人魚とその飼い主のジジイに襲われる。マーメイド NYMPH [DVD]posted with ヨメレバクリスティーナ・クレベ アメイジングD.C. 2015-03-04 AmazonKindle楽天ブックス7net やたらと色んな種類がある各国版ポスタービジュアル。開巻、いきなり青姦を始めたカップルが襲われるなど定石の作りだが、人魚登場は一時間過ぎてから...
ドラムど根性ドラマ『セッション』
- 2015/02/26
- 16:17

原題は「Whiplash」、邦題は『セッション』。最初から最後までドラムセッションしているので、こういう邦題にしたのだろうけど、原題の方がしっくりくるな。邦題の付け方はかつての東宝東和配給作品から学んでほしい。例、「SWEET AND SAVAGE」→『残酷を超えた驚愕ドキュメント/カランバ』ジャズはよく分からないのだけれど、名門音楽学校を舞台に伝説のジャズプレイを求める鬼教師と若いドラマーのど根性モノ。亀頭みたいな頭を...
おかげさまで『福澤徹三のカナザワ怪談会』は満席となりました。
- 2015/02/25
- 11:14

今回のイベントは「参加者は必ず自分の怖い話を披露しなければいけない」という高いハードルにもかかわらず、予約数が定員に達しましたので受付を終了させていただきます。イベント概要のリンク:福澤徹三と、怪談社の紗那が金沢を襲撃! 恐怖の『福澤徹三のカナザワ怪談会』開催のお知らせ当日どんな話が飛び出すのか非常に楽しみです!...
タイトル長いな 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
- 2015/02/24
- 19:00

スペイン女の脇汗染みのように脂っぽい作品が多く、個人的に苦手なアレハンドロ・イニャリトゥ監督作品。ほぼ全編をワンカットで通す舞台劇を描いた本作もクドいだろうなと期待せず見た。マイケル・キートンは落ち目の俳優という設定だが、無知がもたらす予期せぬネット人気で結果的にブレイクするので、あまり悲愴感はない。体を張っても、ネットでさえ全く話題にならないのが本当の悲惨な人間だ。バットマン→マイケル・キートン...
あれ?戦争映画としては…『アメリカン・スナイパー』
- 2015/02/23
- 13:18

イラク戦争で160人以上を射殺した実在のエリート・スナイパーをクリント・イーストウッド御大が映画化。原作本は数ヶ月前に購入したまま積読中。ネイビー・シールズ最強の狙撃手posted with ヨメレバクリス カイル,ジム デフェリス,スコット マクイーウェン 原書房 2012-04 AmazonKindle楽天ブックス7net 予告編は子どもを撃つかどうかで悩むシーンを見せていたので、そういう判断に悩む狙撃手を描い...
殺戮系硬派FPSゲーム「Killing Floor」の短編映画化「Killing Floor: Uncovered」がsteamで配信中
- 2015/02/22
- 21:14

とにかく撃ちまくってたくさん怪物をブチ殺すことに特化したFPSの名作ゲーム「Killing Floor」を短編映画化。無料配信中「Killing Floor」はsteamゲームの中で最も長くプレイしたゲームの内の一つだ。発売されたのが2009年頃だったから、かれこれ約6年も経っている。最近はあまりプレイしていないが、未だに飽きないスルメゲーだ。さて、その映画化は、またまたまたのゾンビ映画だ。そして、またまたのPOV形式。本当にゾンビ...
擬似ドキュメンタリーで描く宇宙人との架空戦記『アウトポスト37』
- 2015/02/21
- 13:55

アウトポスト37 [DVD]posted with ヨメレバライリー・マクレンドン TCエンタテインメント 2015-04-24 2021年、「ヘヴィー」と呼ばれる宇宙人が突然侵略を開始。2022年、戦いの末、ヘヴィーは自分たちの兵隊と前哨基地を残したまま唐突に地球から撤退。2023年、ヘヴィーの残党を掃討する目的でUSDF(The United Space Defense Force)という軍が創設される。2033年、任務をほぼ終えたUSDFは規模も予算も縮小。存在...
米国UFO怪談その三『エリア0<ゼロ>』
- 2015/02/20
- 15:17

原題は「ALIEN ABDUCTION」という直球タイトル。同じタイトルの作品が他に二作品あるがこれは2014年の作品。エリア0 [DVD]posted with ヨメレバキャサリン・ジギスムント TCエンタテインメント 2014-10-03 ノースカロライナのブラウン山でUFOが多数目撃されていた。この映像はアメリカ空軍から流失した物という設定。1999年の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」から使い古され続けたPOVのファウンド・フッテージ物だ。映像...
米国UFO怪談その二「EJECTA」
- 2015/02/19
- 14:28

過去にアブダクションされたオッサンを政府の連中が拉致し、「UFOはどこだ?」とブラックサイトで拷問にかけるが、宇宙人にポゼッションされたオッサンは不死身の体で逆襲するのだった。久しぶりにクズ映画に当たった。何度も何度も意識を失いながらも何とか最後まで鑑賞。87分の作品だが、体感時間は三時間だった。『フォース・カインド』のオバサンの顔のように、オッサンの怖い顔だけを見せ場にして物語がダラダラと続く。『...
米国UFO怪談『エクストラ テレストリアル』
- 2015/02/18
- 12:00

地球外生物(Extraterrestrial)、略してE.T.。でも、このETは怖いぞ。アメリカではヒルビリーの田舎ホラーと並んでポピュラーなUFOホラー。監督は兄弟でやっているザ・ヴィシャス兄弟。そういえば、置いてけぼり感がなかなかスゴかったUFO映画『スカイライン』もザ・ストラウス兄弟っていう兄弟だったな。おとなになっても兄弟でつるんでる奴は変な奴らが多い…。 田舎の別荘に遊びに来た若者グループをUFOに乗ってやって来た宇宙...
アラスカで大熊が大暴れ「Grizzly」
- 2015/02/17
- 14:23

1976年の『グリズリー』とは別物の「Grizzly」。元々のタイトルは「Red Machine」 とか「Endangered」とかだったらしい。疎遠になっていた保安官の兄と、流れ者の弟がアラスカの原生林で灰色熊と対決。モンスター映画の出だしは、モンスターの自己紹介としてとても重要なのだが、今作はその時点でアレッ?っという出来。実際のクマを使って撮影しているため、どう見てもそのクマが巨大熊にも怪物にも見えない。カットバックが...
真面目で陰気なスポーツ映画『フォックスキャッチャー』
- 2015/02/16
- 14:01

実際の事件を映画化したものらしい。オリンピックでレスリングの金メダルを取ったのにしがない独身貧乏暮らしの弟。同じく金メダルを取り、金持ちでもないが地元名士で、子どもが二人の家庭を持ち、現状の暮らしに満足している兄。母親に生涯認めてもらえず(息子より馬が好き)コンプレックスの塊の大富豪がフォックスキャッチャーというレスリングチームを立ち上げ、兄弟のスポンサーとなる。この三人でストーリーが進む。小さい...
本日、映画祭のミーティングをしました。
- 2015/02/15
- 22:28

今年のカナザワ映画祭2015ですが、ようやく少しずつ動き出しました。今日は会場周辺の商店街の方と野外上映について打ち合わせをしました。まだ確定ではないので詳細は話せませんが、実現できれば面白くなると思います。そんな訳で続々と応募がありますが、映画祭ボランティアの方をまだまだ募集中です。今年は5日間の連休(9/19~23)の開催なので、猫の手も借りたいほどなのです。よろしくお願いいたします。カナザワ映画祭2015...
鬼畜ゲームのクラシック「ポスタル」の現代版「Hatred」
- 2015/02/14
- 11:19

これは非道い…。ポスタルは粗いグラフィックだったからどこか可愛げがあったが、これは…。開発はポーランドのインディーズ会社Destructive Creations。東欧の開発陣は奇抜なセンスと高い技術力(Unreal4エンジン使ってるし)を兼ね備えている。これは売れるだろうなあ…。さらにMODで世界も広がりそうだ。steamで初夏発売予定…。関連過去記事リンクポスタル...
スラムの少年三人組が悪徳警察に追われるブラジル映画『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』
- 2015/02/13
- 12:00

冠にユニバーサルのロゴが付き、ワグネル・モウラも出ているので否応なしにブラジル暴力映画の傑作『エリート・スクワッド』を思い起こし、そういうのを期待したのだが、あくまで少年モノ映画。そういう意味では期待はずれだった爽やか作品だ。日本版ポスターが既にダークさのカケラもない。しかし、海外製ポスターはこんな感じ。半分ダーク、半分爽やか。こちらのほうが実際の作品のテイストに近いかも。マーティン・シーンやルー...
懐かしの90年代アジア映画的テイストを思い起こさせる『薄氷の殺人』
- 2015/02/12
- 11:00

原題は「白日焔火」、英語タイトルは「BLACK COAL, THIN ICE」。90年代に青春時代を過ごし、北野武映画や黒沢清映画、エドワード・ヤンやツァイ・ミンリャンの台湾映画を観てきた人間からすると、とても懐かしいテイストの映画だった。懐かしいと言ってもこの中国映画は2014年製作の最新作。警察を辞めた主人公が長年気になっていた未解決事件を追うというストーリー。警察を辞めるきっかけとなった場末の美容院での銃撃戦。...
無人島で731部隊が開発したミュータントが大暴れ?「怪物島」ジェレミー・ロビンスン
- 2015/02/11
- 23:29

「怪物島」というタイトルと、帯の謳い文句を見ると、「ウィリアム・ホープ・ホジスンの「夜の声」(『マタンゴ』の原作)が元ネタ」とか「『サンダ対ガイラ』を思い浮かべる」とか書いてあるのでとりあえず衝動買い。怪物島-ヘル・アイランド- (ハヤカワ文庫NV)posted with ヨメレバジェレミー・ロビンスン 早川書房 2015-02-05 AmazonKindle楽天ブックス7net 原題を見ると、「Island 731」と書いてあ...
ゾンビ+森=つまらない 『ウォーキング・デッド シーズン5』再開
- 2015/02/10
- 13:01

シーズン5が再開し、エピソード9が放映された。当初は食人カルトや勝手に自治る警察組織とか出てきて、「オッ!」と数話はワクワクし、盛り上がりそうだったシーズン5も早々にキチガイどもは退治され、また集団で森を彷徨き、深刻な顔でボソボソ話す展開に。つ、つまらねえ…。シーズン3で登場したガバナー編の盛り上がりはどこへ行ったのだろうか?ガバナーの次はもっと強力でもっと凶悪な敵を出す展開しか道はなかったはずな...
地味な娯楽映画 『ガンズ&ゴールド』
- 2015/02/09
- 21:22

原題は「SON OF A GUN」。『ガンズ&ゴールド』なんてギラギラした犯罪アクションみたいなタイトルを付けられているが、本編は落ち着いた地味な犯罪映画だ。オーストラリア映画ということで、独特の殺伐とした景色が楽しめる。また愉快なキャラクターも結構出てくるので楽しい。ユアン・マクレガー兄貴の微妙にダサい服装も良い感じ。映画でファッションをキメ過ぎると逆に映画としてダサくなるし、時代に取り残される。見ている間...